お勉強

鳥を学ぶ:日本三鳴鳥

日本のみならず世界でも三大まるまるみたいなものが多々あります。世界三大珍味や世界三大美女・世界三大宗教、日本三景・三大祭・三霊山、江戸御三家、ラーメン三銃士などなど

そして鳥さんの世界でもご多分にもれず「日本三鳴鳥」(ニホンサンメイチョウ)と言われる鳥がおります。
日本に生息する鳥さんの中で特にさえずりが美しいとして知られる「ウグイス」「オオルリ」「コマドリ」の3種を称してそのように呼んでいます。

そこで今回はその日本三鳴鳥について学んでいきます。



「ホーホケキョ」ウグイスウグイス
ウグイス画像【写真AC】ハク164さんより。アイキャッチ画像も同

春の訪れを告げる鳥としても知られ、その特徴的なさえずりから古来から親しまれている小さな鳥。
ササやぶによく生息し全国の平地から山地で繁殖します。ササの茂る林を好むため、さえずりは聞こえてもその姿をみつけるのは難しいです。
葉の落ちる冬の方がみつけやすくなるようですがその頃にはさえずりは聞かれないため、姿を識別できなければやはり見つけるのは難しくなります。

羽の色は雄雌ともほぼ同色。上面がやや緑色みのある茶褐色ということで鳴き声に反しその姿は地味です。雄は繁殖期には縄張りをつくり1日数千回といわれるくらいさえずり雌を招きます。また一夫多妻制ともいわれます。

「ホーホケキョ」のさえずりも若い頃はあまりうまく鳴けませんが周囲の大人鳥たちのさえずりを聞き学習していきます。(ウグイスの雌が聞いて)上手く鳴けるようになった雄からつがいになります。美声ほどモテるという事ですね。

花札にも描かれ、縁起が良いとされる「梅に鶯(うめにうぐいす)」という例えから、梅の枝でよく見かけるメジロと間違えられることもありますが、メジロはウグイスより目立つ外見をしていて梅の蜜を吸うという事で大きく異なります。

分類:スズメ目ウグイス科 大きさ:16cm程度(スズメ大)
分布・季節:北海道で夏鳥、通本州以南で留鳥 南西諸島で冬鳥
生活環境:平地~山地の林
さえずり:ホーホケキョ 地鳴き:チャッチャッチャッ 谷渡 ケキョキョキョキョ

 



「ピ―ルーリー」オオルリ
オオルリ
オオルリ画像【写真AC】makieniさんより

鳴き声だけでなく鮮やかな瑠璃色の姿も美しい谷間に住むシンガー。
日本には夏鳥として飛来し主に山地の渓流沿いにある良く茂った林に生息し、繁殖期にはつがいで縄張りを持ちます。

雄は上面が良く目立つ瑠璃色ですが雌は淡褐色の地味な姿をしています。
また、日本三鳴鳥とは別にルリビタキ・コルリとともに「青い鳥御三家」にも選ばれています。

飛翔中のチョウやアブ、羽化した水中昆虫を捕食するフライングキャッチを行います。

分類:スズメ目ヒタキ科 大きさ:16cm程度(スズメ大)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥。
生活環境:平地~山地の林(渓流、湿地沿い)
さえずり:ピールーリールー、ピィーリリ、ジェッ(よく通る澄んだ声で鳴き節は複雑)
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「ヒンカララララ」コマドリ
コマドリ
コマドリ画像【写真AC】cb1300さんより

鮮やかなオレンジ色の姿をした深い山に響き渡る美声でさえずる三鳴鳥。
上面はオレンジ色、下面は黒灰色のツートンカラー。メスも似たようなカラーリングですがオスより色彩が淡くなります。

日本とサハリンのみで繁殖し、山地の渓谷や斜面に住み、特にササ類が茂る林や苔の生えた岩場を好みます。ウグイス同様、茂みややぶにいることが多いためその姿を見つけるのは難しいです。

地上を飛び跳ねながら昆虫やミミズ、クモなどを食べ植物の実なども食します。動きが速いのでバッタなども確実に捕食できます。
そのさえずりが馬のいななき似ているところから駒鳥(コマドリ)と名付けられたといわれます。

分類:スズメ目ヒタキ科 大きさ:14cm程度(スズメ大)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥。伊豆諸島、種子島、屋久島
生活環境:山地~亜高山の林
さえずり:ヒンカララララ 地鳴き:ツン ツン ツン

ウグイスはもちろんのこと、オオルリ・コマドリの鳴き声も一度はどこかの山で聞いたことがあるのではないでしょうか?
わたしはオオルリのさえずりがいまいち分からないときがあるのでもっとその鳴き声を聞いてきちんと認識できるようにしたいと思っております。

参考資料



ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ