お勉強

天気を学ぶ:落雷の種類

夏の時期の最も恐ろしい気象現象の一つは「落雷」です。

夏の富士山
天気を学ぶ:夏の天気通常、六月中旬から下旬になると日本列島は太平洋高気圧が勢力を拡大することで「梅雨」が終わり、いよいよ本格的な夏が始まります。 今回は夏の天気について学んでいきます。前述したとおり、日本に夏の到来をもたらすのは南東の海からやってくる太平洋高気圧です。太平洋高気圧は太平洋の亜熱帯域に発生する温暖高気圧で一年中存在しますが夏になるとその勢力を強め、日本の南東側から日本列島全体を覆うようになります。...

雷はまさに神出鬼没ともいえるほど予想が難しく、出発時は雲ひとつない快晴であっても午後になると天候が急変し雲がもくもくと現れ、雷に襲われることも珍しくありません。
とくに山中にいる時は逃げ込む場所もなく雷が去るまで恐怖に怯えながら過ごすはめになります。

雷は積乱雲の中で発生します。
積乱雲は雷だけでなく大雨や突風を持たらし、冬には大雪を降らせる要因ともなる雲です。
主な発生要因としては地面付近の暖かい空気と上空の冷たい空気の温度が大きくなること、つまり、大気が不安定な状態にある時です。

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ただ、積乱雲が発生したとしても必ずしも雷が起こるとは限りません。雷の発生を促す気象条件(主に夏の時期)がいくつかあります。

上空に寒気が入る時(上空5500mの550hpa面でマイナス6度以下の時など)
前線を伴わない低気圧が接近した時(寒冷低気圧など)
日本海を前線が南下している時
日中晴れて著しく気温が上昇した時
朝から湿度が高い
上記に該当する条件の時に積乱雲は「雷雲」へと発達しやすくなります。

そして「雷の種類」は発生する条件によって4種類に分類されます。

【熱雷(ねつらい)
日中に地面付近が強く暖められる事で、上空との温度差が大きくなり積乱雲が発達して、発生する雷。
特に、内陸や盆地で発生した積雲が、海風や谷風に運ばれて山にぶつかり上昇すると、雷を伴う積乱雲に発達します。
熱雷は日中の温度の上昇によって生じるため、昼前から夜の初めごろにかけて発生しやすくなります。
また富士山の山頂など標高の高い山で突然発生する事は少なく、気温が上昇しやすい内陸や盆地近くの低山の方が発生する確率が多くなります。富士山域でいえば甲府盆地と富士山北麓の間に位置する御坂山地や石割山周辺などです。
ただ風向きによっては低山で発生した雷雲が標高の高い山へ移動する場合もあるので注意が必要です。
以上の通り、熱雷は発生しやすい時間帯、場所がある程度決まっています。

界雷(かいらい)】
寒冷前線などの前線に伴って発生する雷のことをいいます。前線に沿って発生することもあり、気圧配置などにより予想がつきやすい雷です。

渦雷(からい)】
低気圧や台風による強い上昇気流によって発生します。ただ、発生頻度が少ないこともありこの雷による事故例はほとんどありません。

熱界雷(ねつかいらい)】
最も危険な雷で熱雷と界雷、両方の特徴を持ち、広範囲そして長時間発生する雷です。熱雷と異なりどの時間帯でも発生し、富士山や北アルプスなど標高の高い山の頂上でも発生する事があります。山での落雷事故のほとんどはこの雷です。
ただ、天気図などからある程度発生が予想できます。

以上、おおまかな雷の発生要因、雷の種類について学んできました。日本における雷は6月から9月にかけて多く、場所は内陸部で発生しやすくなります。
次回は今回学んだことを踏まえ、具体的にどのような天気の時に雷が発生しやすくなるのか?を学んでいきます。

参考資料

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インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ