10月の初旬、紅葉に彩られた尾瀬ヶ原〜至仏山へ。
本州最大の高層湿原でもある尾瀬ヶ原、そして尾瀬ヶ原で対峙する二つの山 至仏山(しぶつさん)と燧岳(ひうちだけ)いずれも日本百名山で知られた山ですが今回は尾瀬ヶ原の南西、群馬県側に位置する至仏山へ登ってきました。
行程は、鳩待峠から山の鼻を経由し尾瀬ヶ原を歩き、燧岳の麓にある見晴キャンプ場でテント泊。
翌日、山の鼻へ戻り至仏山に登頂、そして鳩待峠へ下山という一泊二日の尾瀬の旅。
ちなみに至仏山を下山するまで「鳩待峠」(はとまちとうげ)を「鳩侍峠」(はとざむらいとうげ)と読み違えておりました、、、
そういう勘違いありますよね。笑
その鳩待峠まではこの時期(10月)自家用車で行けます。
今回もその予定で向かいましたが、戸倉(尾瀬の玄関口、マイカー規制時はここまで)の入口に鳩待峠駐車場満車の表記あり。
平日だし、観光地によくある満車じゃないのに満車と表記するパターンだろうと、たかをくくりそのまま駐車場へ突き進みましたが、、、、
残念。満車でした。
どうやら駐車できる台数が極端に少ないということで前泊でないと平日でも空いていないことが多いようです。気をつけましょう!
気を取り直して戸倉へ戻り乗合タクシーにて再び鳩待峠へ向かう事としました。
戸倉から鳩待峠へ向かう車中からは見事な紅葉が広がり尾瀬ヶ原への期待も膨らんでいきます。
戸倉から鳩待峠へは20分ほどで到着。
早速、尾瀬ヶ原へと下っていきます。
尾瀬ヶ原の湿原上には木道が敷かれ誰でも歩きやすい遊歩道になっています。ただ、雨天時にはとても滑りやすくなるので注意が必要です。
尾瀬の紅葉はブナやナラ、トチノキ、シラカバ、ダケカンバなど黄色の葉が目立つ彩りになっていますが、時折見られるカエデの赤やヒノキ、ツガ、シラビソなどの針葉樹の緑がアクセントをつけています。
一時間ほどで山の鼻へ到着。
見渡す限り、360度湿原の尾瀬ヶ原を進んでいきます。
この時期、花は見られませんが、草紅葉(くさもみじ)と呼ばれる、草や低木が黄金色に輝く姿が見てとれます。
そして池塘(ちとう)と呼ばれる水たまり。
尾瀬ヶ原の湿原には、大小深さ様々な約1800のもの池塘があるといわれています。
その池塘に映る「逆さ至仏」や「逆さ燧」も写真愛好家の方々には人気のようです。
そして池塘に浮かぶヒツジグサも尾瀬ヶ原の見所の一つ。
尾瀬のヒツジグサは7月下旬から9月下旬が花期で、名前の由来は未の刻(午後2時)に花が咲くことからつけられているようですが、実際には日中の10時頃から夕方まで咲いているとのことです。
ゆっくり景色を眺めながら歩をすすめ、昼過ぎに福島県側の尾瀬ヶ原 見晴らし地区に到着。
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この日は見晴らしキャンプ場にてテント泊し、翌日来た道を戻りつつ山の鼻より至仏山へ登ることになります。
ちなみに当初、山の鼻でテント泊の予定でしたが、クマの接近がたびたび見られるという事で数日前にキャンプ場が閉鎖となってしまい、急遽、こちらのキャンプ場に変更しています。
平日であったため山の鼻周辺でもそれほど人は多くありませんでしたが、見晴らし地区は鳩待峠から離れていることもあり、さらに人が少なく、静かに尾瀬の自然を愉しむことができます。
この日は、雨が降り始めたため早々にテント内へ。
暗くなった尾瀬では動物たちの活動が活発になり、特にシカの甲高い鳴き声、近くの藪の中でゴソゴソ動く音を一晩中聞きながらの就寝となりました。
日の出前にに目覚めてぼちぼち撤収開始。
夜中に何度も身を覚ましたためか少々寝不足の中、山の鼻にある登山口へ向けて出発です。
天気の良い日で、前日は雲がかかり山頂付近が隠れていた至仏山もこの日は全容をはっきりと確認する事ができました。
そして、その途中の木道にてクマのフンらしきものを発見。
シカだけでなくクマも人気がなくなった尾瀬で活発に活動していたようですね。
2時間弱で山の鼻へ到着。
この1409mの地から2228mの至仏山を目指します。
今回はテントや寝袋などの荷物を背負っての登山。ほぼ平坦な尾瀬ヶ原はなんて事はありませんでしたが、約800mひたすら登りの山頂までの道のりはなかなか難儀しました。
登山道は整備されているものの、前日の雨で滑りやすくもあり、がれ場も多いため急がずにゆっくりと登っていきました。
対峙する燧岳もよく見えます。
蛇紋岩に覆われた至仏山は森林限界が低く2000mに満たない高さで大きな樹木群は見られなくなります。
登山口から3時間ほどで山頂へ。
モデルコースタイムが2.5時間ほどだったため、30分遅い到着です。
山頂で昼食&少しの休憩をとり下山開始。
ここから体調がすぐれなくなります。
至仏山から鳩待峠への下山は、小至仏山への登り返しがあるため完全な下りではなかったのもありますが、標高2000m付近にある悪沢岳への分岐地点までは身体が思うように動かず、水を飲んでもすぐ渇いてしまう状況が続きました。
これが続くと、そのうち吐き気も催しそうな状態であり早く下山しなければという気持ちがある一方、荷物が重く思うように進めません。途中荷物を捨てて行こうかと思ったくらいです。
それでも、悪沢岳の分岐点あたりからはずっと下りであったことと、体調も戻ってきて喉の渇きもなくなったため、歩くスピードも上がりそのままノンストップで下山。
何とか無事に鳩待峠まで来ることができました。
この体調不良の原因は、おそらく睡眠不足と疲労による軽い高山病の症状であったように思います。
今まで体調不良になるほどの高山病にかかった事はなく、まして標高も2280m。
このくらいの標高の山であれば、高山病を気にした事はありませんでしたが、疲労や睡眠不足など自身の体調に何らかの問題がある時はそれに誘発され高度障害が起こるということを実感しました。
油断は禁物ですね。
とにかく尾瀬ヶ原を歩きテント泊からの至仏山の登頂を無事に終えて何よりでした。
かの百名山の作者深田久弥も秋の紅葉の時期に至仏山へ登り、秋晴れの中、山頂に一時間半もとどまり、その後はまだ観光客が全くいなかった頃の尾瀬ヶ原を堪能したようです。
羨ましいですね。
次回は高山植物が咲き誇る夏の時期に来訪しようかと考えています。
四季折々の自然を楽しめるのも尾瀬の魅力です。
日本百名山