お勉強

自然を学ぶ:日本に住む哺乳類

シカ

今回は私たち人間も同じ仲間として分類される「日本の哺乳類」について学んでいきます。

森のエビフライ
自然を楽しむ:フィールドサイン今回は「自然を楽しむ」をテーマにフィールドサインについて紹介します。アニマルトラックともいわれます。森や山などの自然に足を踏み入れると見えてくるのは大きな木や草などの植物、また昆虫達の姿も度々目にします。そして聞こえてくるのは鳥たちが鳴く声。と、私たちに近い動物である哺乳類の姿やその声を聞くことはあまりありません。...

一般的な会話の中で「動物」といえば大抵「哺乳類」の仲間たちを指していることが多いですが、分類学としての動物は「動物界」と呼ばれる上位の階級に位置し、鳥類や魚類、爬虫類、昆虫など地球上の全ての脊椎動物及び無脊椎動物を含めた総称になります。

そして哺乳類は分類階級的には動物界→脊索動物門→脊索動物亜門→四肢動物上綱→哺乳綱に位置します。
長いので大きい階級のみに省略すると、動物界→脊索動物門→哺乳綱になります。
この分類の単位は細かいものを含めると20以上に及びますが、われわれは学者ではないので大きな分類のみ理解しておけば良いかと思います。

ちなみにヒトは、哺乳綱→霊長目→ヒト科→ヒト属→ヒト(種)。イヌは、哺乳綱→ネコ目(食肉目)→イヌ科→イヌ属→タイリクオオカミ種→イエイヌ(亜種)となります。
この分類の階級や名称はよく変わるので昔のものと変わっていることが多々あります。おそらく今後も変わっていくことでしょう。

さて、前置きが長くなりましたが、日本に昔から住む哺乳類(外来種を除く)は陸地や海のもの含めるとおよそ130種といわれています。地球全体ではおよそ4070種といわれているため全世界の約3.2%にあたる種の哺乳類が日本にいることになります。世界に占める日本の国土の面積が0.25%であることを考えるとその数は多いと言えるのではないでしょうか。

北は北海道、南は沖縄まで南北に長い日本列島は亜寒帯から亜熱帯の範囲まであり、四季のはっきりした温帯で、降水量も多く森林が発達しているため、日本の陸生哺乳類は基本的に森林性で、わずかにカヤネズミやハタネズミなど草原性の哺乳類が河川敷や牧草地など開けた場所に生息しています。

森林は立体的な空間であるため、草原に比べ多くの種が生活できます。
樹洞などで休息・繁殖するコウモリ類は飛翔して昆虫を捕獲し、ムササビやモモンガは樹上にいて若葉や種子を食します。ニホンザル・リス類・テン類・クマ類など多くの種は木登りを得意とし樹上も林床も行動範囲に含めます。
林床には種子食の身体の小さなネズミから、中型の雑食性のタヌキやキツネ、木や草の葉を食べる大型のニホンジカやニホンカモシカがいます。地面の落葉層ではヒミズ類やトガリネズミ類が昆虫を探し、地中ではモグラの仲間が地下トンネルを掘りミミズを食べます。このようにそれぞれの種が生活空間に適応した形態をし、森の生態系において異なった役割を果たしています。

日本では、落葉広葉樹林や混交林において哺乳類の種数と生息数が多いのが特徴です。多くの樹種が春は若葉、夏からは種子と果実を哺乳類ら動物の食物として提供します。また春は林床まで日光がさしこむことで林床植物も餌になります。厚い落ち葉の下には食虫類の餌となる昆虫などの無脊椎動物が生息し、その土壌層はミミズが豊富で、冬でも長期には土壌が凍らないためモグラ類が生息できます。
一方、北海道や本州の亜高山に多い針葉樹林では、哺乳類は種数が少なく生息数も多くありません。

温帯から亜寒帯に暮らす種は、厳しい冬の寒さや食糧難をさまざまな方法で越えます。耐寒性が増す冬毛に換毛したり冬毛が白化するエゾユキウサギ・オコジョ・イイズナ、冬季の食物を秋に貯蔵するエゾナキウサギやリス類・ネズミ類、数ヶ月以上冬眠する種としてはコウモリ類・ヤマネ・エゾシマリス・クマ類などがいます。

積雪は、北海道から東北・北陸地域を数ヶ月に渡って覆い、南北の緯度の差・日本海側と太平洋側の気象の特色や標高差の違いが、積雪量・積雪期間・温度・気象に影響を与え、これらの要因が哺乳類の分布と形態にも大きく影響しています。

例えばニホンジカやイノシシの分布は積雪と関係があり積雪期間の短い地域に広い分布を持ちますが、近年積雪が減少した地域ではニホンジカが増えつつあります。
また、ニホンノウサギは積雪期間の長い地域では、冬毛が完全に白化しますがそれ以外の地域では白化しません。その他、東北地方のムササビやニホンカモシカは体色が淡い傾向を持ち、積雪下でのカムフラージュ効果があるのでは?と考えられています。

このように日本にはさほど国土が広くない島国であるにも関わらず、多種多様な哺乳類がそれぞれの地域の環境に合わせて生息しています。

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インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ