お勉強

山の天気は変わりやすい??:上昇気流

今回も天気について学んでいきます。

「山の天気は変わりやすい」とよく言われます。
また天気が雨予報であれば平地よりも先に山間部の天気が崩れます。

そこで今回は、なぜ山の天気は変わりやすいのか??をテーマに天気について学びます。

まず山の天気を左右する3要素があります。
「上昇気流」「水蒸気の量」「大気の不安定度」です。
ここから掘り下げていきます。

「上昇気流」

上昇気流は雲を発生させる大きな要因の一つ。

巻積雲
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山の天気が変わりやすいのにはその凸凹とした地形に理由があります。

もし山がない平坦な地形であればそこに海からの湿った風が吹いてきてもそのまま通り過ぎるだけです。
一方、そこに山があればその湿った(風)空気は山の斜面にぶつかりそのまま上昇していきます。こうして空気が強制的に上昇させられることで上昇気流が発生します。

そして大気中の空気には大きな圧力(気圧)がかかっています。
その重さは大人の手のひら大きさで約100kg!それでも私たちが空気に押しつぶされないのは、内側からも同じだけの力が働いているためです。

この空気の圧力は高度が上がるほど小さくなります。気温と同じですね。
そのため、強制的に上昇させられた空気の塊は、内側から押す力は変わらないの対し周囲から押される力が小さくなるため膨張します。標高が上がるスナック菓子などの密閉された袋が膨らむのと同じ原理です。
こうして空気は膨張することによってそのエネルギーを消費します。それが空気自身の温度エネルギーです。この温度エネルギーを使うことで空気の温度は下がります。
つまり空気は温度を下げることで膨張するのです。

空気が含むことができる水蒸気の量は温度によって変化します、温度が高ければ多くの水蒸気を含むことができ、温度が低下すると少量の水蒸気しか含むことができません。
そして空気中にいられなくなった水蒸気は水滴(雲粒)となり雲が発生します。

まとめると、空気が風などの影響により大きく動くことで山に衝突し斜面を駆け上がることで上昇気流が発生、上昇することで膨張し温度が低下した空気は水蒸気を含む量が減り、空気中にいられなくなった水蒸気は雲粒となり、それがたくさん集まることで雲が発生、天気がくずれやすくなるという事です。

このように上昇気流は山の風上側で発生し山の斜面に沿って上昇し雲を発生させますが、山を越えた空気は一転、斜面に沿って下降し(下降気流)雲は消散します。

当然ですが、上昇気流や下降気流が発生する場所は風向きによって変わります。
そのため山においてはどちらの方向から風が吹いているのかを読むことが重要になります。そして海から湿った空気が吹きつける山の風上側では特に雲が発生・発達しやすくなります。

このように上昇気流が発生しやすい場所=天気が崩れやすい場所となるわけですが、それを踏まえると天気が崩れやすい場所は以下の通りになります。

◇ 山の風上側斜面
空気が山にぶつかることで上昇気流が発生。

◇ 低気圧や台風の中心付近
低気圧や台風は周囲に向かって風が吹き込むため、中心に集まってきた空気が行き場がなくなり上昇する。

◇ 前線付近
温暖前線では寒気の上を暖気がゆるやか上昇する
寒冷前線では寒気が暖域に潜り込むことで暖気が急激に上昇する。

◇ 地面や海面が暖められたところ
暖かい空気は軽いため、周囲に比べて暖かくなった空気は持ち上がり上昇気流が発生する。
特に上層に強い寒気が入ると強い上昇気流が発生する。

◇ 風がぶつかるところ
風同士がぶつかることで空気が行き場を失い上昇気流が発生する。

ただ上昇気流が発生しても、もとの空気が乾燥していれば雲はなかなか発生しない。また、雲ができても、雨雲までに発達し天気が崩れるとは限りません。

そこには山の天気を左右する要素の一つである「水蒸気の量」が関わってきます。
次回へ続く。

参考資料

ABOUT ME
インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ