お勉強

天気を学ぶ:風

今回は天気を学ぶシリーズ、風についてです。

前回は雨について学びました。

天気を学ぶ:雨天気を学ぶシリーズ。「雨」が降るしくみ・「雨」の強さと降り方についてです。まずは、よく知っているようであまり知られてない雨が降るしくみについて学んでいきます。また天気予報における雨の強さと降り方に関する用語はその強さにより5段階に分類されます。...

風も雨同様その日の天気を左右し気になる気象条件の一つです。

仕事によっては雨よりも風の方が気になる場合が多々あります。
台風などの荒れた天気においても雨より風による被害が大きくなることも少なくありません。
そこで今回は風はどうして吹くのか?風が吹く仕組みについて学んでいきます。

風は、川や海に水が流れるのと同様に、大気中に流れる空気の流れことをいいます。
風=空気の流れ

では風はなぜ吹くのか?

例えば部屋の中でストーブを付けると先に部屋の上の方から暖かくなります。
これは暖かい空気ほど軽く冷たい空気ほど重いためです。
水と同じですね。
また、窓を開けると先ほど暖められた空気は窓の外に逃げ出し、代わりに外から冷たい風が部屋の下の方に流れ込んできます。
この温度差による空気の流れが風です。

そして更に詳しく見ていくと天気予報に関する用語が登場します。
気圧です。気圧というのは大気(空気)の圧力のことで、空気が空気を押す力とも言い換えられます。

地上の空気の温度は場所や時間により変化します。

周囲と比べて温度の高い(暖かい空気)は、膨張して空気の密度が低くなります。
そうした場所では地上から上空までの空気の重さが周囲と比べて低くなります。
そのため地上の気圧が低くなり低気圧になります。
この時暖かい空気は上昇し、地表付近では外から中心に向かって空気が吹き込みます。

一方周囲と比べて温度の低い(冷たい空気)は縮んで密度が高くなります。
そうした場所では空気が縮んだ分(密度の濃くなった冷たい空気は重くなり下降します。)
、更に上空に空気が流れ込み地上から上空までの空気の重さが周囲と比べて高くなります。
そのため地上の気圧が高くなり高気圧になります。
この時、高気圧は中心部で下降気流となっているため地表付近では空気が中心部から外へ吹き出します。

このことから高気圧と低気圧が並んでいるときの地表付近の風は、理論上、高気圧から低気圧へ向かって吹くことになります。

低気圧では上昇気流が発生し周囲から空気が集まります。上昇気流によって雲ができやすくなるため天気も崩れやすくなります。
低気圧に集まる風は地球の自転(回転方向は西から東)の影響により、私たち日本がある北半球では反時計回りの方向に渦を巻くようにして吹き込みます。
高気圧では下降気流が発生しているため雲はできず晴れます。こちらは時計周りの方向に渦を巻きながら風が吹き出します。

地上天気図を見るときも、低気圧の中心にむかって反時計回りに風が吹き込み、高気圧の風は時計回りに吹き出すことをイメージして確認するようにします。
ただ、風はかならずしも高気圧から低気圧に向かって吹くわけではありません。
この場合も地球の自転の影響を受けます。この自転による、大気や海にはたらくみせかけの力を「コリオリの力」といいます。
※ちなみにこの内容を理解するには難しいので今回は言葉のみ覚えときます!

この力の影響により高気圧から低気圧へ吹く風は右方向に曲げられ、天気図上では等圧線に沿って吹く形になります。
また風の強さは等圧線の間隔によって読み取ります。等圧線の間隔が狭いところは風が強く、広いところは風が弱いことが読み取れます。
※等圧線は、天気予報で見られる地上天気図の高気圧を表す「高」低気圧を表す「低」の文字の周りに書かれた線のことです。
山の地図である地形図でいうところの等高線にあたるものです。

続いて、天気予報における風の強さと吹き方に関する用語です。

【やや強い風】平均風速:10~15m/S未満 およその時速:~50km一般道路の自動車
風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。
道路の吹流しの角度が水平になり、高速運転中には横に流される感覚になる。雨樋が揺れ始める。
およその瞬間風速:20m/S

この時点で相当な強さを感じる風ですね。

【強い風】平均風速:15~20m/S未満 およその時速:~70km一般道路の自動車
風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業はきわめて危険。電線が鳴り始める。看板やトタン板が外れ始める。
高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる。屋根瓦・屋根葺材がはがれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる。
およその瞬間風速:30m/S

富士山頂の冬季における平均風速はおよそ20m/S。年平均でも12m/S。やばいですね。

【非常に強い風】平均風速:20~25m/S未満 およその時速:~90km高速道路の自動車
何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。
細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。
通常の速度で運転するのが困難になる。
屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。固定されていないプレハブ小屋が移動、転倒する。ビニールハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。
およその瞬間風速:40m/S

【非常に強い風】平均風速:25~30m/S未満 およその時速:~110km高速道路の自動車
屋外での行動は極めて危険。細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。
走行中のトラックが横転する。固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩落する。
およその瞬間風速:40m/S

通常の台風はこの【非常に強い風】に分類されますかね。

【猛烈な風】平均風速:30~35m/S未満 およその時速:~125km特急電車
屋外での行動は極めて危険。多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック壁で倒壊するものがある。
走行中のトラックが横転する。固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩落する。
およその瞬間風速:50m/S

【猛烈な風】平均風速:35~40m/S未満 およその時速:~140km特急電車
屋外での行動は極めて危険。多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック壁で倒壊するものがある。
走行中のトラックが横転する。外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある。
およその瞬間風速:60m/S

【猛烈な風】平均風速:40m/S以上 およその時速:140km~特急電車
屋外での行動は極めて危険。多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック壁で倒壊するものがある。
走行中のトラックが横転する。住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。
およその瞬間風速:60m/S

※平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均 瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いとのこと。

猛烈な風は恐怖しか感じないですね。標高の高い山では十分にありえそうな風速です。
富士山頂においては最大瞬間風速91m/S、平均風速72.5m/Sという記録があります。

私の中では雨よりも風の方が常に気にかかります。
大雨による洪水の影響は地形による部分が大きいですが、風の場合は地形関係なくどの場所でも十分に起こりえる災害です。
また雨と違って天気が良くても強い風は吹きます。天気予報で確認することはもちろん、その場のフィールドにおいても雲の動きや木の枝の動き、水面の波などから風の動きを注視する必要があります。
「風は呼吸をする」という表現がありますが、登山などの山中、特に森林限界、岩場などで風に見舞われた時には風の呼吸をみながら樹林帯などに速やかに避難、または風が収まるまで行動を控えるなどの対処が必要になってきます。

今回は以上になりますが、風については山で吹く特有の風や風を確認する気象データ、地球全体を覆う大気の流れなど、学ぶべき要素がまだまだあるのでこれからも少しずつ学んでいきます。

参考書籍

参考サイト
気象庁:風の強さと吹き方

ABOUT ME
インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ