今回は日本の哺乳類について学ぶシリーズ。
↑こちらの続き、ウサギさんについて引き続き学んでいきます。
本州に暮らすほとんどの日本人には馴染みのないウサギさん。
北海道にすむエゾナキウサギについてです。
エゾナキウサギ
ウサギ目は二つの異なる科に分類されます。
その一つがナキウサギ科、もう一つは馴染みのあるウサギ科です。
ナキウサギ、、、その名の通り鳴きます。
ピッピッピッなどと高い声で鳴きます。鳥に近い鳴き方でしょうか。
そして日本にすむナキウサギはエゾナキウサギです。エゾという名前の通り北海道で暮らすナキウサギです。
岩のすきまにすみ、朝夕に活動してよく鳴きます。ウサギらしく植物をいっぱい食べ、冬には越冬のために貯食します。
また彼らは瞑想??をするのです。
実際には、日光浴や捕食者や縄張りへの侵入者を警戒するための動作のようですが、岩の上でひたすら佇むその姿は瞑想をする修行僧を思わせます。
そしてエゾナキウサギは、ナキウサギ属の中でも最も鋭い鳴き声をあげます。
最大で200m以上離れても聞こえます。
また、オスメスの判別は外見ではできませんが、鳴き方によって判別が可能になります。
オスは「キッ」という型
メスは「ピッ」という型
オスは鳥と同様に春の繁殖期に盛んに鳴きます。
また自分自身に危機を感じた時に鳴くことはあっても、鳥のように周囲(他のナキウサギ)に危険が来たことを知らせる警戒声の機能はありません。
その他、ナキウサギ属の中でも貯食をする種は秋によく鳴き、貯食をしない種は鳴かないことから、貯食と音声の発達が結びついていると考えられています。
鳴き声がナワバリ宣言の役割も果たしています。
ナキウサギ属の種は、現生では全て寒冷気候の地域に生息していますが、エゾナキウサギは氷河期に大陸から渡ってきたキタナキウサギ(サハリン・シベリア・モンゴル・中国などに生息)がそのまま北海道にすみつき今に至ると考えられています。
そのあと、本州へ南下しなかった・出来なかった理由は、石狩平地帯や津軽海峡が城壁になったからのようです。
北海道に登山に行った際には、ぜひ出会いたい動物ですね。
分布 :北海道中央部周辺。
大雪山系、日高山脈、夕張山塊など
大きさ:頭胴長115mm〜163mm(片手の手のひらに収まるくらい)
体重 :115〜164g
特徴 :夏毛は赤褐色・冬毛は暗褐色
前足の指は5本・後ろ足の指は4本
生態 :岩の隙間に暮らし、主に朝と夕方活動。
主食は植物。冬に備えて貯食をする。
基本は単独行動だが、つがいで同性間縄張りを持つ。
天敵はキタキツネやオコジョなど。
出産は年1回~2回。一度に1~5子(平均3子程度)