お勉強

鳥を学ぶ:鳥界随一の嫌われ者。

今回は鳥を学ぶシリーズです。

鳥を学ぶ:キジ桃太郎に登場するお供であり、日本の国鳥であるキジ。そしてそのキジと最後まで国鳥の座を争ったヤマドリについて学んでいきます。...

最近よく大きな声でけたたましく鳴いている鳥さんの鳴き声を聞く事ありませんか?

朝からとても響く鳴き声。
色々な鳴き方をするので何の鳥かよくわからない。そしてずっと鳴いている。図鑑を見ても載っていない。

その鳥、海外からやってきて日本で繁殖した外来種、ガビチョウかもしれません。
外来種のため図鑑によってはその存在がなかったものにされている少しかわいそうな鳥さんです。
もちろん外来種の中でも、昔から日本に生息しているドバトやコジュケイなどは図鑑にも日本の鳥として掲載されています。
一方、ガビチョウは近年になって日本にやってきた鳥です。
そして「特定外来生物」というものに指定されています。
この特定外来生物に指定されているか否かが同じ外来種でも扱いが異なるのです。

特定外来生物とは生態系や環境、人の生命に影響を及ぼす恐れのあるものとして法律で指定されている生物のことをいいます。

ガビチョウをはじめとして日本の鳥類の中で、特定外来生物として規制の対象なっている鳥さんは、ガビチョウ・カオジロガビチョウ・カオグロガビチョウ・ソウシチョウの4種です。

具体的な理由としては、元々その地で生息していた種の生息域に進出し繁殖することで、その種の生活・生存を脅かす恐れがあるのでは?という事で規制の対象になったりしています。

そんな日本の野鳥の世界では悪役として名を馳せるガビチョウそしてソウシチョウについて今回は学んでいきます。

ガビチョウ

ガビチョウ画像【写真AC】とり屋さんより。

分類:スズメ目チメドリ科 大きさ:約24cm
分布・季節:南東北・関東・中部・九州北部で留鳥
生活環境:平地~山地の林・河原
鳴き声:(地鳴き)ビュル、グルルル

「ガビ」などと揶揄するような言葉で呼ばれ、季節問わず大きな声そして複雑に鳴く、現在最も知られた特定外来生物の鳥。

台湾や中国、インドシナなどに分布し、もともと日本には生息しておらず、鳴き声を聞くための観賞用に輸入され、飼われていたものが逃げ出したりその声があまりにもうるさいためペット業者などが放したものが野生化して繁殖したと考えられています。

1980年代に九州北部で繁殖が確認されて以降、東京、神奈川、山梨県、群馬県、福島県などでも繁殖して定着。その後生息域が更に拡大しています。

さえずりは複雑で長くクロツグミに似ます。ウグイスやキビタキ、サンコウチョウなどの声をまねることもありますがあまり上手ではありません。また声も大きく長く鳴くためすぐにモノマネと分ります。

おもなすみかは、下草がよく茂った低山の林で、河原にも生息しており、人家の庭木でもさえずることがあります。

身体の特徴は、やや細身で全体的に茶褐色。目の周囲が白く、眉状に後方に伸びています。この白のふちどりが画眉鳥の名の由来になっているようです。

ソウシチョウ

ソウシチョウ
ソウシチョウ画像【写真AC】miyu2さんより。

分類:スズメ目ソウシチョウ科 大きさ:約15cm
分布・季節:本州中部~沖縄で留鳥
生活環境:平地~山地の林
鳴き声:(地鳴き)フィーフィー

色彩のコントラストが綺麗な特定外来生物の鳥。
本来、南アジアに分布する鳥ですが、その美しさから日本や中国で鑑賞用に飼育されていたものが、人気がなくなり処理に困った悪徳ペット業者が大量に放鳥したものが繁殖、定着したものと考えられています。

繁殖期は4月から10月の長期間にわたり、笹が生い茂る落葉紅葉樹の森で生活します。また、シジュウカラ類らの中に混じって群を作ることもあるようです。
相思鳥の名の由来は、オスとメスを引き離すとお互い鳴き合うところから付けられたと言われています。ラブリーな鳥さんですね。

ガビチョウもソウシチョウ、いずれも悪目立ちをしてしまうところが嫌われる理由でもありますが、そもそも勝手に人間に連れてこられ捨てられ、たまたまそこで繁殖しただけなのにこの扱い。
動物たちにとって、人間というのはいつの時代も極めて身勝手な存在であることに自戒の念を抱きつつ、彼らが外来種の先輩であるドバトやコジュケイらとならび、いつか日本の鳥として堂々と図鑑にも掲載される日が来る事を、わたくしは密かに願っております。

参考資料

ABOUT ME
インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ