お勉強

富士山を学ぶ#2

ども。
タケザワです。
今日は富士山を学ぶシリーズ#2でございます。
例によってこちらの富士山検定にそって学んでいきます。


※年代等細かい部分は現在の通説と異なる部分があるかもしれませんが基本はこちらの本を参考文献として進めていきます。ご容赦くださいね。

今日の内容は富士山の地質、側火山について。

まず現在の新富士火山とよばれる富士山の表面を覆っている火山噴出物のほとんどは火山岩の一種、玄武岩質溶岩です。玄武岩質溶岩の特徴は粘り気が低くて流れがとても速く、冷えて流れが衰えてくると表面が平坦で丸みを帯びた縄状の模様の縄状溶岩(別名パホイホイ溶岩)へと変わります。また、パホイホイ溶岩が長距離を流れて温度が下がっていきガスが抜けることで流れが悪くなって固まる溶岩をアア溶岩と呼びます。アア溶岩は、パホイホイと対照的に表面がガサガサ・ゴツゴツしたような状態になります。いずれも、青木ヶ原樹海を歩いていると見られますよ。
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パホイホイとかアアとかヘンテコ名前ですが、これ立派な学術用語。
語源は、ハワイ語。ハワイ島はキラウェア火山に代表されるように火山の島ですが、その溶岩の表面の様子が、「表面が滑らか」と言う意味のPāhoehoe(パーホエホエ)そして「表面がトゲトゲした」という意味のʻAʻā(アア)に由来します。
いずれもキャッチーな言葉なので子供でもすぐ覚えます。笑

そして数ある日本列島の火山でも現在の富士山のようにほぼ玄武岩に覆われている大規模火山は珍しくそのほとんどが安山岩からなるものが多いようです。小御岳火山は安山岩でしたね。

ちなみに火山岩(地表や地表近くの浅い場所、火口で急速に固まった岩石)は玄武岩、安山岩のほか流紋岩デイサイトと呼ばれるものがあり、構成鉱物の種類や化学組成によって分類されるようです。ちょっと何言ってるかわからないですね。華麗にスルーしましょう。

また、今の富士山を覆っている火山噴出物で玄武岩以外のものに「スコリア」とよばれるものがあります。スコリアは火山礫の一種の「小さな石」のようなもので黒や暗褐色、または酸化することで赤に近い色になる玄武岩質のもの。富士登山をしているとよく見かける小さな石です。スコリアのような火山礫は、直径2mm以上64mm以下のもの、2mm以下のものを火山灰、。直径64mm以上のものは火山岩塊と呼びます。

このような富士山の地質を確認しながら 富士山を登る・歩くというのも結構おもしろいものですよ。


続きまして「側火山」について
かつては寄生火山とも呼ばれていました。
富士山が形成される過程で山麓や山腹で生じた小さな火山のことをそう呼びます。代表的なものは宝永山ですね。

富士山の噴火といえば頂上からの噴火をイメージすることも多いと思いますが実際は頂上よりはるかに低い山腹や山麓で繰り返しおきています。
その数大小合わせて70以上ともいわれ日本一を誇ります。そしてこの側火山、富士山の北北西から南南東に集中しており、これは富士山直下に沈み込む3つのプレート(北米プレート・ユーラシアプレート・フィリピン海プレート)とりわけ現在も北西へ3m程度移動していると考えられているフィリピン海プレートの押し上げる力が大きく影響していると考えられています。

側火山一覧
※ 国土交通省 中部地方整備局 富士砂防事務所より

富士山の北北西には、青木ヶ原樹海が形成される要因になった長尾山や宝永山に次いで高さを誇る大室山、片蓋山など南南東には宝永山や二ツ塚ら見てすぐ分かる小さな山が点在しています。

側火山

この側火山の数こそが富士山の巨大さを表している一因でもありますね。

 

ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ