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富士山を学ぶ:富士山の植生

御殿場口

インタープリタータケザワです。

黄瀬川
富士山を学ぶ:河川・湖・滝こんにちは。 インタープリタータケザワです。 今回も富士山について学んでいきます。 テーマは「富士山周辺の河川・湖・滝」 参考資...

今回は富士山を学ぶシリーズ
「富士山の植生」について学んでいきます。

植物に関しては今まで学んできた事に増して情報量も多く深い話になりがちですが、このブログではいつもの通り、さらっと理解できるレベルのことを学んでいきます。

富士山は標高3776mと日本で最も高い山です。

そして、2400m付近までは車で行く事ができます。
富士山スカイラインを例にとれば標高1400m付近の旧料金所から富士宮登山道の五合目入口に至るまでおよそ1000mの標高差があります。
その間およそ30分間、車窓から風景を見ていると生育する植物の変化がみてとれます。
つまり、同じ富士山でもその標高によって生育する植物、植生が変わっていくという事です。
この標高差による気温の変化により植生も変化していくことを
「垂直分布」と呼びます。
そして垂直があれば水平もあるのではという予測が立ちますがそれは正解で、植物の「水平分布」もあります。
こちらは当然高さではなく水平、平行に見た場合の分布という意味になるので、日本列島でいえば北は北海道から南は沖縄まで水平に見た時、緯度(位置)が異なります。
その大きく異なる緯度によって気温差が生じ、植物の分布も変化します。

というわけで今回はこの垂直分布をテーマに富士山の植生を学んでいきます。

一般的に山では標高が上がれば上がるほど気温は低くなり、およそ100m毎に約0.6度下がります。
1000mの標高差があれば6度、海抜0m付近と富士山の山頂では約23度もの温度差があります。これは日射や風などによって常に変化しますがおおよその目安にはなりますね。

そして、私的、富士山における垂直分布による植生の大まかな分類は以下のとおり。

低地帯 0〜800m シイ類やカシ類など
山地帯 800m〜1600m ブナやミズナラ、アカマツ・ヒノキなど
亜高山帯 1600m〜2500m カラマツ・ダケカンバ・シラビソなど
高山帯 2500m〜 ミヤマハンノキ・オンタデなど
そして、標高3500mを超える頂上付近ではコケ類や地衣類などが優占し草本植物はほとんど見られなくなります。

垂直分布の分類に関して、もっと細かい分類であったり、分類名称や方法が異なったりする場合がありますが、学者先生ではないのでその辺りはざっくり覚えるようにしています。

また、標高差による違いだけではなく南側に面した静岡県側の富士山と北側の山梨県側の富士山では同じ標高差であっても異なった植生をしています。
そのほか、噴火してからの経過時間が短い場所(例えば、宝永の大噴火の影響が残る南東側)は標高が低くても土壌ができておらず植物が十分に成長するには至らない場所もあります。
このあたりは実際、富士山に足を運んで観察するのが一番ですね。

車で行く事ができる五合目は4ヶ所。
標高約2400m 富士宮口五合目、標高約2300m 富士スバルライン五合目、標高約2000m 須走口五合目、標高約1450m 御殿場口新五合目。
それぞれ標高も場所の方角も異なるので、各五合目周辺の登山道を散策するだけでも富士山の植生がよくわかります。
富士山は頂上を目指す登山よりも、五合目やふもとの散策の方が断然おもしろいので、まずはこの五合目散策を植物観察を楽しみながらしてみて下さい。

そして、富士山における森林限界は概ね五合目より上の2500m付近からと言われますが、実際は高いところでは2800m付近、低いところでは1300m付近と幅があります。
ただ、富士宮口・富士スバルライン口に降り立ち、上を見上げると木がほとんどなく、下を見下ろすと木が生い茂り森が広がっている光景が見られます。
そういう意味では富士山は五合目付近から上が森林限界だと覚えていても間違いではないですね。
また、冬の富士山を離れたところから見た時に、白い雪化粧と森林が広がり青っぽく見えるところの境界が概ね森林限界です。冬の富士山を絵に描いた時にギザギザで表現する線、これも森林限界ですね

以上、今回は富士山の植生について「垂直分布」をテーマに学んできました。次回も引き続き富士山の植生について学んでいく予定です。よろしくお願いします。

富士山や富士山の植物のことなど学ぶための参考資料

ABOUT ME
インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ