富士山

新型コロナ影響による富士山登山道閉鎖

剣が峰

2020年5月15日、山梨県が富士山の頂上へ続く吉田登山道の2020年夏山シーズンの閉鎖を決定。
同じく静岡県側も富士宮、須走、御殿場の3登山道の閉鎖をする方針を固めました。(最終決定は後日)

富士山五合目 御殿場口・須走口開通延期 どうもです。静岡県側の富士山五合目、御殿場口と須走口への県道通行が延期されました。従来通りで行けば明日4/24(土)に開通予定だったも...

このことは山小屋が今夏の営業しないことを決定した時点で予想されたことでした。
基本宿泊を伴わない富士山頂を目指す弾丸登山は推奨されていないためです。

そもそもそれ以前の3月に、日本国内で新型コロナウイルスの影響が拡大していく過程で、今年の富士山の山開きはどうするべきか?という議論は始まっていたことと思います。

異常な数の宿泊者を強引に押し込める山小屋、ご来光を見るがために大渋滞を引き起こす頂上直下の登山道など、
コロナの影響なくとも何かしらの対策を打つべき必要があったハイシーズンの富士登山ですが、今回の決定はそのような問題を先送りしてきたつけが巡ってきたということを、行政や富士山にかかわる企業、団体・人々が認識し、今後の山小屋の在り方、富士山の入山制限など含めた快適で安全な富士登山ができるよう改善していくことを強く望みます。

またこの後は、頂上への登山道閉鎖に伴い五合目へ続く道路の開通はどうするのか?という問題があります。

吉田登山道へ至る有料道路「富士スバルライン」は5月31日までの閉鎖は決まっています。
ただそれ以降については(5月17日現在)未定。
静岡県側の五合目へ続く三道路も冬季閉鎖の解除を延期し開通時期は未定。少なくとも5月31日までは同様に閉鎖が続くと思われます。

では6月になれば一斉に開通するのか?というとそれも疑問です。
それぞれの五合目の状況が違いすぎます。

吉田口五合目へ至る道は有料道路で、積雪の影響がなければ一年中開通。ただし営業時間(開通時間)は決まっています。
また、五合目には多くの土産物屋や観光施設・レストランがあり年間を通して観光地となっており、ここ数年は多くの外国人観光客で賑わっています。

富士宮口五合目へ続く富士山スカイラインは冬季閉鎖期間やマイカー規制期間を除き、無料で24時間いつでも通行可能。
ただ、売店等は五合目のレストハウスが一軒、六合目の山小屋が二軒と観光地といえるほどではない、それでも宝永山など五合目周辺のトレッキングを楽しむ登山者は夏山シーズン以外にも多くやってきます。
また、4つの五合目の中では最も標高が高い登山口であり、日帰りで頂上を目指すには最も都合が良い五合目です。

須走口五合目への登山道も冬季閉鎖期間やマイカー規制期間を除き、無料で24時間いつでも通行可能。こちらの登山口は食事や買い物ができる山小屋が二軒。標高は2000m弱ということで、吉田口・富士宮口に比べると登山者は少ないです。それでも森や草原を楽しみながら登ることができる登山道という事で人気があります。

御殿場口五合目はマイカー規制がなく冬季閉鎖期間を除き、24時間いつでも通行可能。
夏山シーズンのみ五合目登山口から20分ほど登った場所の山小屋が営業。
標高は1440mと五合目登山口の中で最も低い場所にあるがマイカー規制がないこともあり
頂上を目指す登山者は少なくありません。

今までも山小屋やトイレが閉鎖された夏山シーズン以外に多くの登山者が富士山頂へ登っています。今回、夏山シーズンの登山の閉鎖が決まったとはいえ、山頂を目指す登山そのものは今までと同じレベルの規制では可能になります。

それを行政側や関係者は良しとするのか?それにより五合目へ続く道路自体も今シーズンは閉鎖するのか開通するのかの是非が変わってくると思います。
もちろん閉鎖したところで山頂を目指す人はいますがそれでもその数は減らすことができます。

通常の夏山シーズンでの登山であれば警備や救護も充実しており、普段山に登らない初心者でも登頂はできますが、それがない状況で山初心者や体力に問題がある人が登頂を強行すればケガによる救急要請や事故が続出することが予想されます。

それを踏まえると、五合目へ続く四道路全て今シーズンは閉鎖するのが一番かと思いますが
とりわけ吉田口は観光地ということもあり経済に与える影響が多いということでそれは難しいだろうと思います。

であれば、夏山シーズン中は今まで通りマイカー規制してさらに、頂上へ行く道の警備をこの期間だけでも今まで以上に強化するなどの策が落としどころではないでしょうか。

静岡県側の五合目は、山梨県側に比べれば経済的損失はそれほど大きくない。
ただ五合目へ続く道路も閉鎖となれば、頂上を目指す登山者以外も排除することになるのでそこまでする必要があるのか?という議論は出てくると思います。

五合目までは開通したとして、そこから上の頂上へ続く道をどのように閉鎖、警備していくのかも三つの登山道で全く状況が違うのでそれぞれに決めねばなりません。

標高が高いけど比較的登山道の閉鎖や警備がしやすい富士宮口、標高は低いが登山道の閉鎖や警備が広範囲になる御殿場口など、状況が異なります。

ただ、警備にかける費用が多く必要になるならば経済的損失は少ない静岡県側は今シーズンはいっそ閉鎖してしまう方が良いかもしれませんね。

と、このように一人で考えていただけでも様々な考えが浮かんでくるわけですから
もっと多くの関係者ががそれぞれの立場で考えれば更に色々な意見が出てくる思います。

その際には、今回のことに限らず今後の富士登山の在り方を含めて議論いただきたいと思います。

以上。

ABOUT ME
インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ