今回は個人山行の記録です。
常に風雨にさらされ続けた7月末の「唐松岳」
梅雨末期のさなかに今回も行ってきました。当初は唐松岳から五竜岳への縦走で臨んだ山行でしたが風雨が強く断念。唐松岳のみとなりました。
唐松岳(カラマツダケ)は、北アルプス 後立山連峰に位置し長野県北安曇郡白馬村と富山県黒部市にまたがる標高2695.9mの山。2019年には唐松沢雪渓が氷河であることが確認され、剱岳、立山、鹿島槍ヶ岳と並んで氷河が存在する4つ目の山となっています。
コースは定番の八方尾根アルペンリフト乗り場からのスタート。このコースは北アルプスの入門コースとしてとして人気で唐松岳へのピストンであれば日帰りできるコースです。
リフト乗り場より八方池までは登山者以外の観光客の姿も多く、さまざまな高山植物が楽しめるルートになっています。
この八方尾根は蛇紋岩の超塩基性岩質により特異な植物分布が観察されます。
ハイマツは、ふつう標高2300m以上の高山帯に生息しますがここでは標高1850m付近のリフト乗り場周辺でも観察できます。さらに兎平より下部の標高1400m付近でも確認され、垂直の逆分布ともいわれています。
八方池からは本格的な登山になります。自分が登った日はここから風雨が強くなり登山道は完全に沢と化して防水のブーツにも水が浸水していきます。砂礫地で風雨に晒されながら進み、ダケカンバが茂る森で一呼吸といった感じで登頂を目指しました。終始雲に覆われているため、白馬三山や不帰ノ嶮(かえらずのけん)といった雄大な景色も全く楽しむことができませんでした。途中、カヤクグリやイワヒバリの姿や鳴き声、そして雷鳥の姿を励みに山頂を目指しひたすら進んでいきます。
写真左の登山道に雷鳥がいます。小さくてほとんど認識できない(笑)
そして、約3時間で唐松岳山頂山荘へ。
この時点でブーツ内はおろかレインコート内にも浸水。山荘周辺では強風が吹き荒れており当初テント泊の予定でしたが部屋泊まりに変更することとしました。
またこの日のうちに唐松岳頂上へ行っておくつもりでしたが山荘内で休憩しているうちに気力が失せ、、、天気が回復する見込みのあった翌日の早朝に登頂することとしました。
山荘では、ブーツ・レインコート・インナーなどを乾かしつつ、ひたすら睡眠。
たっぷりと睡眠をとった翌朝。
多少風雨もおさまり、早朝より五竜岳へ。
唐松岳より五竜岳山頂への縦走はおよそ3時間の行程。6時間で往復できるという想定のもと出発しましたが、出発はじめの難所である岩場において雨の影響もあり、難儀したことで想定時間より遅延。登り返しもある大黒岳手前で想定していた時間内ではピストンできないことを判断し五竜岳への縦走は断念し戻ることにしました。
個人山行であっても事前の行動予定時間を守り、それが順守できないならば予定変更などの判断をできるだけ早くすることが大切です。
そして、山荘へ戻ったあとは唐松岳山頂へ行き下山することとしました。
雨が残る下山時は高山植物を撮影しながらゆっくりと帰路につきました。
このルートではさまざまな高山植物が楽しめます。登山はおまけで高山植物を学ぶそして楽しむをテーマに登るのが良いかなと思います。雨天でも楽しめます。もちろん晴天であればなお良いかと思います。
最後に「唐松岳」(カラマツダケ)の名の由来は不明で、てっきり私はカラマツが多くみられる山なのかと思っていましたが、他のアルプスの山々と同じく普通にハイマツが多く分布する山でした。