お勉強

哺乳類を学ぶ:アズマモグラとコウベモグラ

今回はトガリネズミ目の代表格「モグラの仲間」について学んでいきます。

ヒミズ
哺乳類を学ぶ:ヒミズとヒメヒミズモグラに近い仲間にヒミズ類がいます。姿はモグラと同様に眼は皮下に埋まり耳介がありません。モグラ類に比べて体が小さく尾が長いのが特徴です。落ち葉層、腐食層など地表の浅い部分にトンネルを掘って生活して、地表でも活動するなど地下生活への適応度合が低く、トガリネズミ類に似た半地下性の動物です。...

地下生活に最もよく適応した動物はモグラ類です。
短く強固に発達した腕に大きな円盤状の手がついており、狭いトンネル内でそれを回転させながら効率よく土を掘ります。
腕の胸の筋肉は強大に発達し、トンネル内での動きをスムーズにするため体は円筒型に近く、毛は柔らかくて直立するため前後に動いても抵抗なくどちらの方向にも倒れます。
また骨盤が非常に細いため、狭いトンネル内で体を折り曲げての方向転換が簡単にできます。
モグラは土を掘る能力に長けていますが、硬い土壌は好まず、柔らかくて湿潤な土壌を好みます。これはそのような土壌には餌となるミミズや昆虫が多いためです。



またモグラが掘るトンネルは深いもので地下1m以上にもなりますが、頻繁に使われる採餌用のトンネルは、餌が多く取れる腐植質の多い地下30cm程度以内の表層に作られることが多いです。
そしてこのトンネルには繁殖期以外はオスメスとも1つのトンネル組織に1頭がすみます。土中にトンネルを掘るのは多大なエネルギーを必要とするため、条件の良いトンネルや巣は長期間に渡り、その所有者の代が変わっても受け継がれて利用されます。
そしてこの条件の良いトンネルをめぐる生息地争いは激しく地上にすむ動物以上ともいわれます。

現在、日本におけるモグラ類はアズマモグラとコウベモグラがその分布を大きく二分してますが、近年は大型であるコウベモグラが小型のアズマモグラを駆逐しその分布を拡大しつつあります。そのの分布境界は、静岡県・長野県など本州中部地域周辺になります。

地上によく見られるこんもりとしたモグラ塚は、モグラがトンネルを掘ったあと不要になった土を地上に運んだものです。
そのできかたは、トンネル内の土を両手で掘って、うしろ足で蹴り出し、体を方向転換して前足で地表へ運び出します。
コウベモグラは1頭で平均125個のモグラ塚をつくるといわれます。

また、モグラの巣はモグラ塚の下にあるわけではないため地上からはわかりません。
ただ、ナガエノスギタケというモグラの排泄所(トイレ)からしか発生しないキノコを見つけると,

その地下にモグラ類の巣を発見することができます。
巣は落葉をそのまま用いて球状に作られます。

日本では水田地帯など田畑周辺がモグラにとって良好な生息場所でしたが、水田地帯の減少や改変によりそのような場所では減少しています。一方山林ではよく見られほか、庭園やゴルフ場などでも見られますが芝生に盛土(モグラ塚)をつくるため嫌われています。



アズマモグラ
アズマモグラ
画像:Koolah / CC BY-SA

トガリネズミ目モグラ科モグラ属

本州中部より東の地域に多く分布。西日本にも小分布地がある。
低地から2000m付近にまで分布するが、水田地帯や草地に多く生息。日本の固有種。

大きさ:頭胴長121mm〜159mm
小〜中型で体の大きさは様々、広い平野部では大きく、山間部では小型化。大型のものは褐色で、小型のものは暗色が強くなります。
コウベモグラとの見分けポイントである上あごの切歯は、VまたはU状に並びます。
地中の昆虫やミミズが主食で春から初夏に繁殖。産指数は2〜6。
寿命は最大で3年あまり。

コウベモグラ
トガリネズミ目モグラ科モグラ属

本州中部より西に分布。低地から1700m前後の山地に分布し、水田地帯や草地に多い。同一種は朝鮮半島や中国東北部などに分布。

大きさ:頭胴長125mm〜185mm
中型〜大型のモグラで、大きさは地域により変化。南方より北方のものが大きく、山地や狭い平野より広い平野のものの方が大きい。毛色は大型のものが褐色が強く、上あごの切歯は浅い弧状に並びます。
地中の昆虫やミミズが主食で春から初夏に繁殖。産指数は2〜6。
寿命は最大で3年あまり。

その他モグラの仲間には、ミズラモグラセンカクモグラサドラモグラなど地域固有のモグラがいます。

また、モグラは地下生活する動物ですが、地表に出ることもあり捕食者であるネコやキツネ・アナグマなどの他、ノスリ・フクロウなどの猛禽類にも襲われることがあります。
私たちが山などで目にする姿もたいてい死んだ姿で見つけることが多いです。悲しい出会いですね。

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富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ