お勉強

富士山を登る植物:三合目

パッチ状の群落

今回の「富士山を登る植物」 砂礫地で見られる植物について学んでいきます。

富士山を登る植物:2合目冬に富士山を見上げると、真っ白く雪に覆われた山頂に近い一帯と少し青みがかかったふもとに近い一帯の上下に大別されます。 雪に覆われ白く見えるところは森がほとんどないため積雪がはっきり見え、青く見えるところは森に覆われているため積雪が見えないので、そのように映ります。この白と青の境界線がいわゆる「森林限界」となります。今回はこの富士山の森林限界そして、樹木限界をテーマに学んでいきます。...

富士山では、樹木限界を越えるとスコリアなど砂礫の移動が激しい斜面になります。
そのような場所では、フジハタザオミヤマオトコヨモギが現れます。
かれらは砂礫の移動により、根切れを生じて枯れ死することもありますが、砂礫とともに流されても再びその流された場所で定着するという強さを持っています。

また、砂礫の移動がややおさまったところではイタドリオンタデがよく見られるようになります。太くて長い直根を持ったこれらの植物は砂礫の移動緩和と大きく関わっています。

富士山の南東斜面、宝永火口の周辺ではカラマツからなる樹木限界の上部にイタドリなどからなるパッチ状の群落が発達しています。砂礫上に生育する植物はランダム分布と集中分布を繰り返しながら次第に大きなパッチを作り出していきます。

根・茎・葉などの一部が分離、生育する繁殖を繰り返しながら、葉や茎を外側へ外側へと増加させていくことで、パッチが形成されます。
つまり、サイズの大きなパッチほど長い時間をかけて生長したことになります。

そして、大きくなるに従い中心部は枯れ始めドーナツ化が起きます。これは地中にある茎が密集しすぎて酸欠を起こして枯れてしまう現象で、富士山の森林限界付近でよく見られます。
しかし、その中心部は風当たりが緩和され落ち葉が集積するため富栄養化しており日もよく当たるため、他の植物が生育するための絶好の立地となります。

実際、そこには裸地での生育が困難となるカラマツやミヤマハンノキ、ミヤマヤナギなどの木本植物の実生が見られます。この木本植物らが生長すると樹木限界、さらには森林限界を押し上げる要因になります。
樹木などの木本植物は、砂礫地に発達したパッチ群落を土台に富士登山を続けているのです。

富士山に生育する代表的な植物

「オンタデ」
オンタデ
分布帯
:高山帯 生活環境:砂礫地
生活型
:多年草 草丈:30~100cm 開花時期:初夏~夏

地下茎は長く3mにも及びます、葉は互生し柄があります。葉身は長卵形〜卵形。緑色の葉で、花は小さく黄白色、円錐状に多数つけます。
名称は長野県の御嶽(オンタケ)に由来しているといわれ、その生育環境からイワタデとも呼ばれます。五合目を越えた砂礫地の多くに生育し、火山荒原に最初に生える植物、先駆性の植物でもあります。

教材資料

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インタープリター竹沢
静岡県裾野市在住。 人と自然をつなぐインタープリターでありたい。 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ