はい。
インタ―プリタータケザワです。
今回は鳥さん紹介の話。
前回は「ポッポッポ、ハトポッポ」でお馴染み鳩さんについて紹介しました。
そして今回紹介する鳥さんは、、、、
春の訪れとともに飛来し、軒先などにせっせと巣をこしらえ秋の終わりまで私たち人間と生活を共にする身近な鳥さん、ツバメの仲間について紹介していきます。
まずはツバメの仲間でも最もよく知られた身近な普通の「ツバメ」
ツバメ画像【写真AC】c*******************mさんより
春一番と共にやってくる夏鳥。
春から秋にかけて「チュクチュク」鳴きながらヒュンヒュン飛ぶ姿を日常的に見かけまね。そして家の軒先はもちろん、マンションやお店・駅など人口の建造物に巣を作り子育てをしている姿もよく見かけます。
彼らがこのような人が往来するところに巣を好んで作るのは、捕食者である猛禽類やカラス、テンなどから身を守るため人間を利用しているといわれています。
また、ツバメは人間にとっても農作物に悪影響を及ぼす害虫を食べてくれるということで益鳥といわれ昔から大切にされてきました。
そういう意味では人とツバメは持ちつ持たれつの良い関係を築いてきたということですね。
ただ、近年は農業の衰退によりエサ場となる水田や耕作地の減少、巣作りに適した日本家屋が少なくなったことによってツバメが減少しているそうです。
私たち人と自然・動物の関係も昔に比べて希薄になってきてツバメの巣が人によって落とされることも増えてきているのは悲しいことです。
気を取り直して、、、
私たち人とツバメの関係は昔からとても深いものがあります。
日本においても平安時代から貴族たちに愛されて軒先にツバメの巣があることは縁起が良いとされ、物語では「竹取物語」やオスカーワイルドの「幸福な王子」などに登場し、佐々木小次郎の必殺剣「燕返し」
ツバメの姿をイメージとする「燕尾服」、新潟県の「燕市」、北アルプスの「燕岳(つばくろだけ)」など燕を関した言葉や地名もあります。
※ つばくろはツバメの古称。ヤクルトスワローズのマスコットキャラクターつば九郎もこの名から命名されています。
ツバメの特徴としては、先に触れた人口建造物に巣を作ること、そして毎年同じ場所に巣を作ることでも知られています。ツバメはその本能で同じ場所に巣を作りますが、ツバメの寿命は2~3年ほどなので、必ずしも毎年同じツバメがやってくるとは限らずその周辺に巣を作っていたツバメの家族などがたまたま同じ場所に作る場合も多々あるようです。
ツバメは川や道の上など空中でハエ・トンボなどを捉えて食べますが、時には急旋回して昆虫を追いかけることもあります。
姿は、お馴染みの燕尾服で、頭から尾羽は青色光沢のある黒、額と喉は赤色、尾羽(後ろの付け根の部分)は長く二つに分かれる燕尾、尾羽に小さい白班が入ります。
ちなみに燕尾は飛んでいるときによくわかります。
分類:スズメ目ツバメ科 大きさ:スズメ大(17cm程度)
分布・季節:北海道南部~九州で夏鳥 生活環境:市街地・農耕地・河川
さえずり:チュクチュクチュク、ジー 地鳴き:ツピッ
聞きなし:土喰うて虫喰うて渋ーい
その他のツバメの仲間
「コシアカツバメ」
ツバメと同じく人口建造物に営巣、ツバメより少し遅れて日本にやってきます。
特徴は出入り口が小さく、細長いトックリ型の巣を作り(ツバメはおわん型)別名トックリツバメとも呼ばれます。
姿はツバメより少し大きく尾が長く燕尾の切れ込みも深い、腰の部分が赤褐色で喉は赤くありません。
分類:スズメ目ツバメ科 大きさ:19cm程度
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:市街地・農耕地・河川
さえずり:ジョイジョイジョイ、ジュリッ 地鳴き:ジュイッ
続いて
「イワツバメ」
イワツバメ画像【写真AC】うさぎ屋写真さんより
イワツバメも比較的見つけやすいツバメの仲間です。
平地から高山まで広く分布するツバメで登山中に見つけることもあります。
ツバメやコシアカツバメと異なり人口建造物以外の岸壁や崖などにも巣を作ります。
その姿は白黒で丸っこく尾羽も短い。巣は上部が天井に張り付き、出入口が狭く外敵を寄せ付けない構造になっている。
分類:スズメ目ツバメ科 大きさ:スズメ大(15cm程度)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:平地~高山の岩場、建物、断崖
鳴き声:ジュリジュリジュリ
またツバメには同じツバメという名前で外見も似るが異なるグループに属するアマツバメ目がいます。上記で紹介したツバメはいずれもスズメ目。
代表的なものとしては「アマツバメ」「ハリオアマツバメ」
アマツバメは海岸や高山の崖に営巣し地上に降りず一日中飛び続けます。長い翼を持つ一方脚は退化し短く,枝にとまったり地面から飛び立つことができません。
休む時は崖に鋭い爪でぶらさがります。
分類:アマツバメ目アマツバメ科 大きさ:20cm程度
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:海岸~高山
鳴き声:チリリリィ、チリリリィ
ハリオアマツバメは北日本に飛来する夏鳥で、鳥類の中で最も早く飛ぶといわれる大型のアマツバメです。その名の通り尾羽に針のような羽軸があります。
飛ぶときには、長い翼「シューッ」という風切り音を立て通過していきます。わたしも浅間山(前掛山)に登った時に頂上付近の尾根を歩いてるとき「シューッ」という音が
聞こえ上空を見るとツバメの姿をした大きな鳥が高速で飛んでいました。ハリオアマツバメです。結構はっきり聞こえます!!
分類:アマツバメ目アマツバメ科 大きさ:21cm程度
分布・季節:北海道~本州中部で夏鳥 生活環境:平地~亜高山
鳴き声:ジュリリッリ
以上、代表的なツバメの仲間・アマツバメの仲間を紹介してきました。
私たち人間にとってとても身近な鳥ですが、最近では悲しいことにその巣が人により壊されることが増えているようです。
昔から縁起が良いといわれるツバメの巣、その巣を壊すと罰が当たるといわれるのは迷信ですが、実際に雛や卵がいるツバメの巣を壊したり落としたりすると、鳥獣保護法違反に問われ1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
ツバメの巣に関してはこちらの野鳥の会ツバメブログを参照ください。
対策等についても記載されています。
罰則の話はともかく壊れたツバメの巣を見るのは悲しくなるので、もし巣のフンに困っているのであれば、まずは住んでいる都道府県や市町村に相談して見てください。
アイキャッチ画像:【写真AC】さんぽ49さんより