お勉強

鳥を学ぶ:カワセミの仲間

今回の鳥を学ぶシリーズ、そのずんぐりむっくりな姿と、特徴的で美しいカラーリングからバーダーから人気のカワセミの仲間について学んでいきます。

ムクドリの大群
鳥を学ぶ:ヒヨドリとムクドリ日常的によく見かける鳥の中でも、嫌われたり、あまり人に好かれない鳥がいます。その筆頭がおそらくカラス。その他、姿はともかく、そのけたたましい鳴き声や行動から嫌われる鳥もいます。ヒヨドリとムクドリ。人が暮らす街でもよく見られるという事あり、何かと悪目立ちし残念ながら嫌われてしまう鳥さんです。だけど、本当にそんな悪い鳥なのでしょうか?という事で、今回はそのヒヨドリとムクドリについて学んでいきます。...

「カワセミ」

カワセミ
カワセミ画像【写真AC】ハク164さんより。

美しい青緑色の姿から清流の宝石とよばれ、水辺にすみ水中にダイビングして魚を捕らえる全国の平地から山地の池や湖沼、川などにすむ比較的見つけやすく日本のカワセミ類では最も体の小さい種です。



背はコバルト色で、頭や翼は光沢のある緑色、体のわりに大きな黒色のくちばし、目の下と胸から腹にかけてはオレンジ色です。
水面に張り出した枝や岩、杭などにとまり水中の獲物を狙います。ダイビングするだけでなく、ホバリングすることもあります。小魚のほかエビや水生昆虫の幼虫やカエルも食べます。これらの餌は頭から丸のみし、消化できなかった骨やウロコ・殻などは「ペリット」として口から吐き出します。獲物が大きい場合には木や石に叩きつけて弱らせてから飲み込みます。
カワセミの特徴は人間の生活にも活用され、その美しい色彩は線維などの材料分野で、くちばしは500系新幹線のノーズデザインのモチーフにされています。

その他、カワセミは縄張り意識が強く、他のカワセミが自分の縄張りに入ってくると激しく鳴きながら体をすぼめて威嚇します。体を大きく見せて威嚇するのはわかりますが、すぼめてというところが面白いところでもあります。また、水中にダイビングして獲物を捕食しますが、この時に目を守り水中でも的確に獲物を捕らえることができるよう、「瞬膜」というゴーグル状の膜を出します。この瞬膜は、鳥類の他に爬虫類・両生類・サメの仲間など一部の魚類にもあります。

分類:ブッポウソウ目カワセミ科 大きさ:17cm程度
分布・季節:北海道で漂鳥、本州以南で留鳥
生活環境:平地~山地の池・湖沼・河川
鳴き声:チーッ・ツッチーツー

 



「ヤマセミ」
ヤマセミ
ヤマセミ画像【写真AC】zin56250412さんより。

日本のカワセミの仲間では最大で、モノトーンなカラーリングの鳥。
白黒の冠羽がよく目立ち、警戒や興奮するとよく動きます。

山地の渓流や湖沼に留鳥として生息します。河川での生息分布は中流から上流の清流域で、カワセミより上流に生息しますが、アカショウビンのように深い森には入りません。

カワセミ同様、水中にダイビングして獲物を狙い、主にイワナやヤマメ、ウグイなどの魚類を捕食します。

分類:ブッポウソウ目カワセミ科 大きさ:38cm程度
分布・季節:北海道~九州で留鳥
生活環境:平地~山地の渓流・湖沼
鳴き声:キャラッ、キャラッ、ケレッケレッ
 

「アカショウビン」
アカショウビン
アカショウビン画像【写真AC】cb1300さんより。

夏のうっそうとした森にすむ真っ赤なカワセミの仲間。
キョロロロと特徴的な鳴き方をします。全国に夏鳥として渡来し、低山のよく茂った林の沢筋に生息します。
全身は黄色味かかった赤色、翼は光沢のある紫色で、くちばしは太くて大きく赤色で、脚も同様に赤い。曇りや小雨の日によく鳴くので雨乞い鳥とも呼ばれます。
林内の水辺や湿った斜面で、カエルやサンショウウオ、小魚、カニ、昆虫類など様々な小動物を捕食します。枝から舞い降りて獲物を捕らえますが、ヤマセミらのように完全に水中に潜ることは少ないようです。

「ショウビン」という名称は、カワセミの古い呼び名です。

分類:ブッポウソウ目カワセミ科 大きさ:28cm程度
分布・季節:全国で夏鳥
生活環境:平地~山地の林
鳴き声:キョロロロロ、キョロロロロ

カワセミ・ヤマセミ・アカショウビンとも、かわいい特徴のある姿に良く目立つカラーリング、その生態も興味深く、ぜひ一度は見ておきたい鳥さんです。

ヤマセミ・アカショウビンは山地の渓流などにすんでいて見つけにくいですが、まずは都会でも見られるカワセミから探していきましょう!!町の川べりなどでカメラを構えている人達がいたら、たいていカワセミを狙っているバーダーの方たちです。

参考資料



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富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ