こんにちは。
今回は「自然を楽しむ」をテーマに
フィールドサインについて紹介します。
アニマルトラックともいわれます。
森や山などの自然に足を踏み入れると見えてくるのは大きな木や草などの植物、
また昆虫達の姿も度々目にします。そして聞こえてくるのは鳥たちが鳴く声。
と、私たちに近い動物である哺乳類の姿やその声を聞くことはあまりありません。
その哺乳類たちは森や山にいないのか?
というとそんなわけもなく確かに森や山に生息しています。
彼らは夜に活動する夜行性であったり、人を避け森の奥に潜んでいたりして、ただその姿を見せないだけです。
姿は見せないけど確かに動物(哺乳類)たちが生息しているという痕跡や証拠は見つけることができます。その動物たちが確かにいるという証拠や痕跡のことをフィールドサインと呼びます。
具体的には???
「動物たちの足跡」「動物たちのフン」「動物たちの食痕」。
その他、「巣」や「けもの道」、「ぬた場」、「爪痕・角研ぎ痕」などもフィールドサインです。
いずれも聞いたことがあったり見たことがあるものではないしょうか?
実際、街中でもペットや鳥のフィールドサインを見つけられますしね。
これらフィールドサインを一つ一つ確認していきます。
「足跡」
ぬかるんだ地面や砂礫、雪上で見つけることができます。
特に雨が降った後の地面が日常的に比較的見つけやすいですね。
足跡とその歩行パターンでどんな動物の足跡か見分けます。
シカやカモシカは二つの蹄・イノシシはその蹄の後ろに二つの副蹄が見られます。
四本の指跡を残すのはタヌキやキツネなどのイヌ科やネコ科の動物。
五本の指跡を残すのはイタチ科の動物やクマ・ハクビシンそしてサル。
ウサギやリス、ネズミなどは棒型の足跡を残します。
歩行パターンに特徴があるのは、ほぼ一直線に足跡を付けるキツネや、跳躍して前進することで進行方向の前方に大きい足跡の後ろ足、後方に小さい足跡の前足とY字型の足跡を付けるウサギなどがいます。
リスやネズミも跳躍しながら前進しますが身体も小さいため足跡が残りにくく判別は難しくなります。
いずれにしてもシカやイノシシなど大型の哺乳類以外の足跡は見つけにくいです。
シカの足跡は生息数も多いのでよく見かけます。
続いて「フン」
形や大きさなどによって判別します。
棒状のものや塊、俵型、丸フンなど。
シカやカモシカのフンは丸みを帯びた俵型で一見子供がチョコボールと見間違うようなものであったりします。
その他、犬などのフンと同じ棒状のものもよく見ますが判別は難しいですね。
大きさやその場所に生息する種から想像するしか私にはできません。
また、フンの特徴からも判別することができます。
決まった場所でフンをする習性があるタヌキやカモシカなどはためフン。
テンやイタチなどのねじれが生じた、ねじれフン。
その他、モスラフン・虫フン・毛フンなどいろいろあるようなのでフンに興味がある人は探してみてください。
そして一番探していて楽しいのは「食痕」ですね。
食痕、動物が食べた痕や食べ残し。
有名なのは「森のエビフライ」と呼ばれるリスが食べた食痕です。
モミや松ぼっくりのまわりのかさ(鱗片)をきれいに剥がしながら中の種子を食べると軸が残りエビフライのような形の食痕が残ります。
ネズミや鳥なども松ぼっくりの種子を食べますが、きれいなエビフライ型の食痕を残すのはリスやムササビくらいです。
樹上で鱗片を剥がしながら種子を食べるので、木の上から何かこまかいものが降ってくるなと上を見上げたら、リスがお食事をしているなんてこともあります。
松の木や松ぼっくりを見かけたら、ぜひ森のエビフライを探してみてください。
その他の食痕としては、割れたクルミの跡や、かみ切られたような跡のある茎や葉っぱも見つけることができます。
それ以外に森や山でよく見かけるフィールドサインとしては、イノシシやシカが泥浴びをした後のぬた場や、イノシシがエサを探すため地面を掘り返した跡、シカが木で角を研いだ跡も見つけることができます。
このように自然の中を少し注意して歩くだけでそこに暮らす様々な動物たちの痕跡を探すことができます。
ただ頂上を目指すだけではなく、また目を惹くきれいな植物だけに目を向けるのではなく、そこに暮らす動物たちの痕跡も探しながら歩くとより自然を楽しむことができると思うので「フィールドサイン」を探す、そして動物たちと出会うをテーマに散策してみてください。
もっと詳しく、足跡やフンについて知りたいという方は以下の書籍をご覧ください。
とても詳細にフィールドサインについて書かれています。
【参考資料】