登山ガイド

登山道は「みんなの道」!【登山初心者向け】気持ちよく歩くためのマナーとルール

「さあ、いよいよ登山開始!⛰️」

…と、意気揚々と歩き出したものの、登山道で

  • 「あれ?これってどうすれば良いんだっけ…?」

  • 「もしかして、私マナー違反してる…?😨」

と、行動に戸惑った経験はありませんか?

登山道は、たくさんの登山者が行き交う「みんなの道」。だからこそ、お互いを尊重し、気持ちよくすれ違うための【暗黙のルール】 が存在します。

登山初心者が知るべき【基本の登山マナー】迷惑行為をなくして気持ちの良い登山を!登山初心者が知っておくべき基本の登山マナーを解説。迷惑行為をなくし、誰もが気持ちよく登山を楽しむために、今日から実践しましょう!...

今回は、登山初心者さんが特に気になる「登山道で気をつけたいマナーとルール」 を、具体的な場面ごとに徹底解説!この記事を読めば、登山道での行動に自信が持て、さらに快適な登山を楽しめるはずです。さあ、スマートな登山者を目指して、ステップアップしましょう!

登山道マナーは「歩く姿」に表れる!

登山道でのマナーは、一言で言うと**「他の登山者への思いやり」** です。

具体的にどのような点に気をつければ良いのか、代表的な場面ごとに見ていきましょう。

1.すれ違いは「譲り合い」が基本!

狭い登山道ですれ違う際、お互いが気持ちよく通過するために、ちょっとした配慮が必要です。

  • 基本は「登り優先」: 登りの登山者は、重力に逆らって登っているため、体力を消耗しています。そのため、下りの登山者が道を譲るのが基本 です。

  • 状況に応じて臨機応変に: ただし、登山道幅や状況によっては、必ずしも「登り優先」にこだわる必要はありません。狭い場所で無理に譲ろうとすると、かえって危険な場合も。広い場所に下りが退避しやすい場合は、下りが譲るなど、状況に応じて臨機応変に対応 しましょう。

  • 声かけでスムーズに: すれ違いの際は、「こんにちは」「お先にどうぞ」 など、笑顔で声をかけ合うと、よりスムーズで気持ちの良いすれ違いができます。

  • 登山道端(山側)に寄ってスペース確保: 道を譲る側は、登山道端に寄り、すれ違うためのスペースを確保しましょう。その際は山側で待ちましょう。そして自分の背中面(ザック)を山側に向けて、すれ違う人が自分の目の前を通り過ぎるようにして待つと、安全にすれ違いができます。

2.追い抜きは「声かけ」が大切!

前の人を追い抜きたい時は、いきなり追い抜くのではなく、必ず声をかけましょう。

  • 「すみません、追い抜いてもよろしいですか?」: 丁寧に声をかけ、相手のペースや状況を確認しましょう。

  • 「ありがとうございます」: 追い抜きを許可してくれたら、感謝の言葉を伝えましょう。

  • 登山道幅の広い場所で: 追い抜きは、登山道幅が広く、安全な場所で行いましょう。狭い場所での無理な追い抜きは危険です。

  • 静かに追い抜く: 追い抜く際は、騒がしくせず、静かに、速やかに通過しましょう。

3.後続に速い人が来た時は「道を譲ろう」

自分がゆっくりペースで歩いている時に、後続から速いペースの登山者が来た場合も、道を譲るのがマナーです。

  • 「お先にどうぞ」と声をかける: 後ろから速いペースの人が来ていることに気づいたら、「お先にどうぞ」 と声をかけて、道を譲る意思を伝えましょう。

  • 登山道脇にスペースを空ける: 登山道脇の広いスペースや、邪魔にならない場所に移動し、後続者がスムーズに追い抜けるようにスペースを空けましょう。

  • 無理にペースを上げる必要はない: 道を譲ったからといって、無理に自分のペースを上げる必要はありません。自分のペースを守って、安全に登山を続けましょう。

  • 感謝の気持ちを伝える: 道を譲ってくれたら、「ありがとうございます」 と感謝の気持ちを伝えましょう。

 

4.休憩は「場所」と「時間」に配慮!

登山道での休憩は、体力回復のために必要ですが、場所や時間に配慮が必要です。

  • 登山道脇の広いスペースで: 休憩は、登山道脇の広いスペースや、休憩用に整備された場所を利用しましょう。登山道の中央や、狭い場所での休憩は、他の登山者の通行を妨げる ことになります。

  • 長時間の休憩は避ける: 休憩は、短時間で済ませるように心がけましょう。長時間の休憩は、他の登山者の迷惑になるだけでなく、体温低下にも繋がります。

  • ザックは登山道から離して置く: 休憩中、ザックは登山道から離して置き、他の登山者の通行を妨げないようにしましょう。

  • ゴミは持ち帰り: 休憩中にゴミが出たら、必ず持ち帰りましょう。

5.トイレは「携帯トイレ」を活用!

山にはトイレがない場所も多くあります。

  • 携帯トイレを必ず持参: 山に入る前に、必ず携帯トイレを準備しましょう。最近では、使いやすく、環境に配慮した携帯トイレが様々な種類があります。

  • トイレがある場所では積極的に利用: 山小屋や登山口などにトイレがある場合は、積極的に利用しましょう。

  • 携帯トイレ使用場所は人目につかない場所で: 携帯トイレを使用する際は、登山道から離れた人目につかない場所を選び、使用後は適切に処理しましょう。

  • トイレットペーパーも持ち帰り: 使用済みのトイレットペーパーも、必ず持ち帰りましょう。

6.ゴミは「絶対に持ち帰り」が鉄則!

ゴミは、自分の出したゴミは当然のこと、落ちているゴミも拾って持ち帰る くらいの気持ちでいましょう。

  • ゴミ袋を必ず持参: ゴミ袋を複数枚持参し、分別して持ち帰るようにしましょう。

  • 食べ残しもゴミ: 食べ残しなども、自然の中に放置せず、必ず持ち帰りましょう。

  • 小さなゴミも見逃さない: ティッシュペーパー、お菓子の包み、ペットボトルのキャップなど、小さなゴミも見逃さずに拾いましょう。

  • 他の人のゴミも拾う: 余裕があれば、他の人が落としたゴミも拾って持ち帰ると、さらに素晴らしいですね。

6.動植物は「そっと見守る」

山にいる動植物は、私たち人間よりもずっと前からそこに住んでいます。

  • 動植物を採取しない: 植物を摘んだり、動物を捕まえたり、卵を持ち帰ったりすることは絶対にやめましょう。

  • 登山道から外れない: 登山道から外れて歩くと、植生を踏み荒らしてしまう可能性があります。

  • 餌を与えない: 野生動物に餌を与えると、自然の生態系を壊してしまう可能性があります。

  • 大声を出さない: 大声や騒音は、野生動物を驚かせ、ストレスを与えてしまいます。静かに自然を楽しみましょう。

登山道でのマナーアップは「心のゆとり」から

登山道でのマナーを守ることは、決して難しいことではありません。少しの「心のゆとり」と「周りの人への配慮」 があれば、誰でも実践できます。

そして、あなたがマナーを守って歩く姿は、きっと他の登山者にも良い影響を与え、より気持ちの良い登山環境を作ることにつながります。

まとめ

今回は、「登山道で気をつけたいマナーとルール」について解説しました。

登山道は、

  • すれ違いは「譲り合い」

  • 追い抜きは「声かけ」

  • 休憩は「場所」と「時間」に配慮

  • トイレは「携帯トイレ」活用

  • ゴミは「絶対に持ち帰り」

  • 動植物は「そっと見守る」

を意識して、他の登山者への思いやりを持って歩きましょう。

次回の記事では、「山小屋、装備、その他にも大切な登山マナーとルール」 について、さらに詳しく解説していきます。お楽しみに!

さあ、あなたも今日から「登山道マナー名人」を目指しましょう!

ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ