快適な登山への道、第四弾。
今回のテーマは『登りたい山と登れる山を一致させる』です。
参考図書
『登山の運動生理学とトレーニング学』
2023年の登山シーズン、コロナ禍による規制もなくなり多くの登山者が色々な山に足を運んでおり、どの山域でもとても賑わっています。
一方で遭難件数もかつてないペースで毎日のように報道されています。
遭難理由も様々ですが、その中で「体力不足による行動不能」が目立っています。
これはひとえに自分が登りたい山と自分の体力が見合っていないことに起因します。
特に有名な山であるほどその傾向が強いです。
なかでも『富士登山』などはそのいい例でしょう。
普段、全く山登りをしたことがない方が憧れだけで登る、すぐに自分の体力不足を痛感し早めに諦めればよいですが、せっかく来たのだからと無理して登ってしまう。その結果、長時間の登山を強いられ、最終的に行動不能となり救助要請。よくある事例です。
この登りたい山と登れる山を一致させる方法は単純明快で、登りたい山のグレード(体力度)を下げること、または、登りたい山に通用する体力をトレーニングをして身につけることです。
学生時代の志望校と一緒ですね。
自分の偏差値に見合った学校を選ぶのか?行きたい学校の偏差値まで勉強して学力を身につけるのか?
とはいえ、登山の場合、偏差値のような明確な基準があるわけではないので、どのくらいの体力をどの程度身につければよいのか、難しい部分があります。
特に自分で客観視するのは難しい、定期的に登山ができるのであれば良いですが、仕事や日々の雑務に追われ、登山になかなか行くことができないとなると自宅やその周辺でトレーニングをするしかなくなります。
そういう意味でも山岳会などの山のコミュニティに所属してみる、登山ガイドに依頼してトレーニング方法や自分のレベルを見定めてもらうなどが必要になってきます。
また近年では、救助要請の増加を受けていくつかの県で『山のグレーディング(難易度)表』が公開されているので確認してみるのもいいと思います。
下記の表は静岡県のグレーディング。
その他にも長野県を始め、岐阜県や山梨県など多くの有名な山のある県にも同じようなグレーディング表があるので登山前には是非参考にして『登りたい山』と『登れる山」を一致させてください。