富士山

富士山の登山道の一つ プリンスルート(実は大変なルート)

本日は富士山の登山道の一つ『プリンスルート』を紹介します。

富士山の山頂を目指す一般的なルートは、
吉田ルート・富士宮ルート・須走ルート・御殿場口ルート
の4ルートです。
それぞれ五合目の標高、登山道や山小屋の状況・アクセス等異なっておりますが、
プリンスルートは、富士宮ルートと御殿場ルートをMIXしたルートになっています。

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プリンスルートはその名の通り、プリンス(王子・皇太子)の通った登山道を意味し、2023年現天皇である今上天皇が皇太子時代の2008年に富士山の登頂を果たしたことが由来となったルートになります。
※陛下は登山歴50年超のベテラン登山者!



【コースの紹介】
プリンスルートのコース紹介です。
① スタートは富士宮口五合目
まずは富士宮口新六合目を目指します。
六合目までは富士宮ルートと同じ道を歩くため多くの登山者と共に登って行きます。

② 富士宮口新六合目
そして新六合目から登山道が分かれます。
2軒の山小屋を通り過ぎると、山頂へ登る道(富士宮ルート)と宝永山へ向かう二つの
道の分岐があります。ここで宝永山へ向かう道に進みます。(直進)
※この後トイレはしばらくないので必ず済ませましょう!

③ 宝永第一火口縁-宝永第一火口
ダイナミックな宝永火口が眼前に広がる火口縁から、宝永第一火口へ下っていきます。
※滑落注意。
そして火口から宝永山へ登り返して行きます。
※火口は落石が多いので長居はしないようにしましょう。
この火口から登り返す道は、火山灰(砂)上を歩くため、砂浜を歩くのと同様に踏ん張
りが効かず、登っても登ってもなかなか進まないというこのルートで最も困難な道とな
ります。



④ 馬の背-宝永山
火口を登り始めて1時間ほどで、馬の背(宝永山の尾根)へ。
時間的に余裕があれば宝永山の山頂へ行きましょう。
天気が良ければ三つの火口を眼下に下界の景色も望めます。
ただ、風の通り道でもあるため天気によっては強風が吹き荒れる場所となります。
その際はすぐに尾根を越えて御殿場ルートの登山道へ進みます。

⑤ 御殿場ルートに合流
御殿場ルートに下りたら、御殿場旧六合目分岐の登山道へ進みます。
その際、途中にある下山道へ誤って進まないようにして下さい。
砂走りを登る事になってしまいます。(大変です。。。)
下山道へ誤って行くことなく登山道を進めば足元が沈むことなく、比較的歩きやすい道を進むことができます。

⑥ 御殿場ルート七合目の山小屋
そして、御殿場ルートの山小屋へ到着。
この七合目から八合目へかけての山小屋は3つ。
【わらじ館】【砂走館】【赤岩八合館】
ここでようやくトイレが行けます。
そして宿泊もこの三つから選択するのが一般的です。

⑦ 山頂へ
赤岩八合館から先は頂上まで山小屋はないので、きっちりトイレを済ませます。
八合目から先は傾斜も急になり、つづら折れの岩場を登っていきます。
休憩するような広いスペースもあまりないので立ち休憩となります。
そして落石に注意しましょう。
鳥居が見えたら山頂です。
お疲れ様でした。

以上。
プリンスルートと聞いて楽なのではないか?と考える方がいるようですが、実際は大変です。吉田・富士宮・須走の方が正直登りやすいです。
ただ、「登山者が少なく混雑することがあまりない」これがプリンスルートとして選択された理由ではないかと思います。

ちなみに下山は、同じくプリンスルート、または富士宮ルート、そして御殿場ルートといずれかの道を下りていきますが、下山はプリンスルートが楽です。
富士宮は急こう配で転倒のリスクがある。御殿場はとにかく長い。これらがその理由です。

以上を踏まえて富士登山の一つのルートとして参考にして下さい。

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富士山プロガイド 竹沢



 

ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ