お勉強

鳥を学ぶ:カッコウの仲間たち

今回は鳥さんについてのお話です。

前回は、春から夏にかけて最もよく見る鳥さん「ツバメの仲間たち」について紹介しました。

ツバメの子
春の使者の代表:ツバメさんそして今回紹介する鳥さんは、、、、春の訪れとともに飛来し、軒先などにせっせと巣をこしらえ秋の終わりまで私たち人間と生活を共にする身近な鳥さん、ツバメの仲間について紹介していきます。まずはツバメの仲間でも最もよく知られた身近な普通の「ツバメ」...

そして今回は森を歩いていると高らか聞こえ、また交差点で信号待ちしていても??聞こえてくる「カッコウカッコウカッコウ」と鳴くさえずりがそのまま名前になっている鳥さん。カッコウの仲間について紹介していきます。

「カッコウ」
カッコウ
カッコウ画像【写真AC】cb1300さんより。アイキャッチ画像も同画像

明るい林や平原を好む夏鳥。

「カッコウ」と鳴くその声が名前の由来ですが日本以外の国々でも、cockoo(英語)coucou(仏語)kuckkuck(独語)郭公(中国語)などその鳴き声が名前の由来になっています。
日本のカッコウの仲間では最も身体が大きく、主にガの幼虫などを食べる。草原など開けた場所を好むためカッコウの仲間の中でも特に見つけやすいと言われています。
が、わたしは見つけたことないです。。。

そしてカッコウの仲間、最大の特徴が托卵という習性です。
托卵は自分が生んだ卵を他の鳥に育てさせることです。
その理由ははっきりとはわかっていませんが、カッコウの仲間は体温が低くそれが理由ともいわれています。
カッコウは、モズ・ホオジロ・アオジロ・オオヨシキリ・オナガなど様々な鳥に托卵します。
そしてそのほとんどはカッコウよりも身体の小さな鳥たちで、実際カッコウのひなの方がそれらの親鳥たちより姿が大きかったりします。
その自分より大きな体のひなにえさを与える姿はかなりシュールです。
また、本物のヒナたちより先に孵化するカッコウのヒナは、親鳥からのえさを独占するため??他の卵を巣の外に捨ててしまいます。うむ、恐るべき生存競争ですね。

ちなみに「閑古鳥」という言葉はカッコウのことで、カッコウの鳴き声が物寂しく聞こえることから、繁盛していないお店などを「閑古鳥が鳴く」というようになったようです。

分類:カッコウ目カッコウ科 大きさ:ハト大(35cm程度)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:平地~山地、草原、アシ原
さえずり:カッコウカッコウ 地鳴き:ピピピピピピ



「ホトトギス」

ホトトギスもカッコウの仲間です。
古くから日本人に親しまれている鳥で万葉集にも詠まれその数156首と鳥類の中で最多です。
「キョッキョッキョキョ」と夜明け前や日没後に鳴くことが多いです。夜中にも鳴きます。日本のカッコウの仲間で最も小型。
鳴く時に口の中が赤く見えることから、歌人正岡子規は結核で血を吐く自分の姿と重ね合わせ雅号(がごう)をホトトギスの漢字表記のひとつである子規としました。
ホトトギスは主にウグイス托卵します。

分類:カッコウ目カッコウ科 大きさ:28cm程度
分布・季節:北海道南部~九州で夏鳥 生活環境:平地~山地の林
さえずり:キョッキョッキョキョ
聞きなし「特許許可局」「テッペンカケタカ」など。

「ツツドリ」
ツツドリ
ツツドリ画像【写真AC】あかげらさんより

「ポポポポポポ」と筒を打つように鳴くカッコウの仲間。
森を歩いていると奥の方からよくその声が聞こえてきます。森を好むということで草原など開けた場所を好むカッコウとは、すみ分けをしています。
大きさはカッコウより小さくホトトギスより大きい。センダイムシクイやメボソムシクイに托卵します。

分類:カッコウ目カッコウ科 大きさ:ハト大(33cm程度)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:山地の林
さえずり:ポポポポポポ



「ジュウイチ」

胸がオレンジ色で小型のタカに似たカッコウの仲間。
「ジュウーイチージュウーイチー」と鳴くことからその名がつけられる。
またジヒシン(慈悲心)の聞きなしもあり、ジヒシンチョウとも呼ばれブッポウソウ・ウグイスとともに三霊鳥とされています。(それぞれに聞きなしが仏教にちなんでいるため)
山林に生息しカッコウの仲間では最も高地まで分布します。
コルリ・オオルリ・ルリビタキなどに托卵します。

分類:カッコウ目カッコウ科 大きさ:ハト大(32cm程度)
分布・季節:北海道~九州で夏鳥 生活環境:山地~亜高山の林
さえずり:ジュウーイチージュウーイチー

カッコウの仲間はいずれも鳴き声に特徴があり姿は見えなくともとても判別しやすい鳥さんです。そして林や森に住む鳥さんの中では大きい部類に入ります。
カッコウなどは見つけやすいようなので鳴き声だけでなくその姿も見つけられたらいいのですが私はいまだその姿を見たことないです。カッコウに限らず仲間たち4種全ていつかその姿を捉えたいと思います!!

参考資料



ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ