富士山

青木ヶ原樹海と聞いて思い浮かべることとは?

青木ヶ原樹海
富士山の北麓、山梨県の北西に位置するおよ溶岩に覆われた森林地帯。
今からおよそ1200年前の西暦864年に起きた富士山の噴火によってもたらされた原生林です。
ゴツゴツとした溶岩の上には鬱蒼とした針葉樹の森がひろがります。

青木ヶ原樹海
富士山を学ぶ:青木ヶ原樹海の成り立ち。富士山の北西の山腹から西湖・精進湖・本栖湖、一帯に広がる森林地帯。隙間なく樹木が生い茂り山頂などから見下ろすと、その様子が海のように見えることから青木ヶ原樹海と呼ばれる手付かずの原生林。今回は「青木ヶ原樹海の成り立ち」について学んでいきます。...

そして、標題にある「樹海と聞いて思い浮かべることは?」と尋ねれば多く方から「自殺の名所」という答えが今でも聞かれます。

特に40代以上の方々のほとんどはそのようなイメージを持っておられるようです。
10代、20代の若年層になるとそのイメージは減ってくるようですが、それでもインターネットで検索して知ったという若い方も多くいらっしゃいます。

果たしてそのイメージは正しいのか?と言われれば、かつてはそうであったろうと思います。

きっかけは松本清張著「波の塔」と言われます。1960年に刊行され映画化にもなった小説です。

内容については実際読んで頂ければと思いますが、この後以降樹海では自殺者が急増し、それがメディアでも報道されることで更に増長され、自殺の名所と呼ばれるようになったようです。

ただ、私が樹海のガイドを始めた10〜15年くらい前からはその数も少なくなっているようで、私もそのような痕跡等は今まで一度も見かけたことはありません。
現在、樹海を歩きその自然を愉しみながら歩いているとそのようなイメージは全くないのが実際のところです。



時代とともに樹海=自殺というイメージが風化し、また山梨県や樹海の大部分をを占める地域である富士河口湖町や鳴沢村の方々が自殺者を減らそうと負のイメージの払拭に努めたり、パトロールを毎日するなどの効果が表れてきたということだと思います。

青木ヶ原樹海はその成り立ち、富士山との関係性、独特の植生など、自然を楽しむだけではなく学びの場としても有効的に活用される場となっています。

これからの青木ヶ原樹海が過去のイメージを一新し、私達に自然の営みの素晴らしさ、その偉大さを教えてくれるかけがえのない森として人々に記憶されるようになることを願っております。

ぜひ皆さまも真の青木ヶ原樹海の姿を見に足をお運びください。

また、樹海ガイドについてもご興味ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

お読み頂きありがとうございました。



ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ