こんにちは!今回は登山の安全に関する論文を読み解き、より安全で快適な登山のための情報をお届けします。
今回のテーマは、「登山道における歩行バランスと着地強度の計測と評価」 という論文。近年、高齢者の登山事故が増加傾向にある中、登山の必需品とも言える 「ストック」 は本当に効果があるのか?
論文を基に、ストックが歩行バランスや身体への負担に与える影響を徹底解説します!

ストックって本当に必要なの? 論文からわかる意外な事実
登山をする際、よく見かけるストック。
「あれって本当に必要なの?」「邪魔にならない?」そう思っている人もいるのではないでしょうか。
ストックは、平坦な道では邪魔になることもありますが、登山、特に下山においては、非常に重要な役割を果たしてくれる可能性があるんです。
今回の論文を読むと、その理由が科学的に理解できます。
どんな調査をしたの?
今回の研究では、実際に登山道で、ウェアラブル端末(メガネや腕時計のようなもの)を装着して、ストックを使った場合と使わない場合で、歩行データを計測・分析しています。
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被験者: 登山経験の異なる3名の男女
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場所: 神奈川県 飯山白山森林公園
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計測器: ウェアラブル端末(加速度センサー、視線センサー、脈拍センサーなど)
ストックの効果が明らかに! 論文が示す3つのポイント
分析の結果、ストックを使用すると、以下の3つの効果が期待できることがわかりました。
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下山時の足への負担軽減
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ストックを使うことで、足にかかる衝撃が緩和されます。これにより、膝や足首への負担を軽減し、怪我のリスクを減らすことができます。
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視線が安定し、足元が見やすい
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ストックを使うことで、視線が安定し、足元をしっかり確認できます。これにより、転倒や滑落のリスクを減らすことができます。
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体力消費を抑え、バランスを維持
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ストックを使うことで、全身の筋肉をバランスよく使うことができ、疲労を軽減できます。特に下り坂では、バランスを保ちやすくなり、安定した歩行につながります。
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登山経験の差も影響? 論文から見えた意外な事実
今回の研究では、登山経験によって歩き方に違いが見られる可能性も示唆されています。
経験豊富な登山者は、ストックを効果的に活用し、より安定した歩行ができていると考えられます。一方、経験の浅い登山者は、ストックに頼りすぎてバランスを崩してしまう可能性も考えられます。
登山ガイドとして:
経験の浅い方は、ストックの使い方を習得してから使用することをオススメします。また、ストックだけに頼らず、足運びや重心移動など、基本的な歩行技術を身につけることも重要です。
まとめ|ストックを上手に活用して安全登山!** ストックだけに頼るのは危険!経験豊富な登山ガイドからのアドバイス
今回の論文では、ストックが安全登山に役立つ可能性が示されました。
しかし、ストックは万能ではありません。過信せず、自分の体力や経験に合わせて適切に使用することが重要です。
今回の研究は、被験者数が少ないという限界 がありますが、ストックの効果を客観的に示した貴重な研究です。今後にさらなる研究が期待されます。
今回の研究結果を参考に、ストックを上手に活用して、より安全で快適な登山を楽しみましょう!
より安全に登山を楽しむために:
登山計画をしっかりと立て、無理のない行程で登山を
体調管理を万全に
ストックを適切に使用
ストックだけに頼るのは危険!
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【論文情報】
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坂口憲一, 大海悠太, 山本正彦, 椙本涼太, 工藤裕, 仲山加奈子: 登山道における歩行バランスと着地強度の計測と評価, 人工知能学会第二種研究会資料, SIG-KST-032-04, 2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2017/KST-32/2017_04/_pdf/-char/ja
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