富士山

2023年富士山山開き「懸念の弾丸登山」

こんにちは。
いよいよ2023年の富士登山のシーズンがスタートします。
今年は各ニュースでも報じられている通り、コロナ以前同様の行動制限のない最初のシーズンとなります。特に山梨側ではほとんどの山小屋で予約が満室となっており、「弾丸登山」が懸念されています。



正直、普段から山登りをしている人であれば日帰り(弾丸登山)でも行けなくはないかと思います。わたしも初めて登った時は早朝に登り、夕方戻ってくるという日帰り登山でした。問題は普段山登りしていない人が富士山を登る事、そしてご来光を見るために普段寝ている時間に山登りをする事
この2点。

富士登山は標高3776mと4000m近い独立峰を登ります。
低酸素はもちろん、寒さ・風・雨などの環境条件も厳しく、五合目の登山口から1400mもの標高差を登る。まさに健脚向けの登山コースになります。
毎年、転倒・低体温症・突然死などの事故も多く起きています。昨年も例年と比べて登山者が少なかったのにも関わらず救助要請の数はコロナ前とほとんど変わらなかったとのことでした。
また急激に標高を上げることで高山病に苦しむ人が多く、そこに睡眠不足が加わるわけです。



ある話では、夏の登山者の登頂率は5割程度で、アフリカの最高峰「キリマンジャロ」の登頂率(7割から9割)より低いと言われています。
※キリマンジャロ登山においては高山病予防のため段階的に標高を上げて身体を慣らしながら登っていきます。

弾丸登山をするのであれば、「ご来光はあきらめる」「基礎体力はつける」「登山に慣れる」最低このあたりはクリアして頂きたいものです。

参考資料

『登山の運動生理学とトレーニング学』

登山関連のトレーニング本リンクはこちら

ABOUT ME
富士山ガイド竹沢
静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ