今回は手軽に富士山をトレッキングできるコースの紹介です。
登山口は静岡県側の五合目、御殿場口新五合目になります。
五合目と言っても標高は1440mと4つある富士山の五合目登山口では最も低い場所に位置し、最も近年にできた登山口となります。
アクセスは自家用車がおすすめ。
夏の登山シーズンでも唯一マイカー規制なく登山口まで行く事ができます。
今回紹介するコースは、樹林帯から溶岩に覆われた幕岩を経由し、火山灰やスコリア中心の火山荒原へ、そして、かつての火口跡である二ツ塚へ登頂。最後は砂走りで登山道を下山していきます。危険なところもなく、標準コースタイムも3時間ほどで、小学生高学年も学校の登山体験で利用するコースで、親子登山にもおすすめです。
コースを紹介します。
登山口の第一駐車場西側の看板がある場所よりスタート。
※富士山の頂上を目指す登山口である鳥居からではないので注意が必要。
歩きにくく足元がとられるスコリア上を進んで行きます。
天気がいいと頂上がきれいに見えるビュースポット。
左手側の樹林帯に向かって登っていきます。
この御殿場口新五合目の周辺は宝永の大噴火の影響による火山灰などの降灰で森が消失し森林限界の標高が極端に下がった地域です。そんな中、降灰を逃れた森の中を進んでいきます。
森の入り口に看板があります。
ここから樹林帯(森の中)の登山道へ。
森の中はしっかりとした土の上を歩く登山道なため、歩きやすくなります。
それでもしばらくは登りが続くため楽にはなりません。
20分ほど進むと看板が現れます。
ここで1620m。ここから幕岩まではほぼ平行移動。
歩くのはかなり楽になります。
気持ちのいい森の中を進みます。
ただ、途中の痩せた沢沿いを歩くときは注意が必要です。
幕岩に到着。
幕岩は溶岩が剥き出しになった沢で、雨の日は水が流れ滑りやすくなります。晴れた日でも表面が削れツルツルになった溶岩上は滑りやすいので注意が必要です。
登山口から1時間ほどで開けた場所でもあるため休憩ポイントになります。
続いて幕岩から次のポイント四辻を目指します。
幕岩のすぐ西側の尾根に上がる道を進んでいきますが、尾根にとりつく登山道はかなり荒れています。ただ、短い距離なので一気に登ってしまいましょう。
三辻方面へ行く道との分岐を間違えないよう四辻方面(進行方向右手側)を進みます。
ここからは急登、そして地面が足をとられるスコリアに変わります。
ここも一気に登ります、背丈ほどのカラマツ林を通過。
天気が良ければ宝永山、そして富士山の頂上を見ることができます。
ただ、霧がかかるとホワイトアウト状態になり視界不良となり登山道も不明瞭になります。
遭難を回避するためスコリア上にロープが張られているのでそれを目印に進みます。
四辻
四つの道の分岐。
北へ進むと御殿場口登山道へ、東へ進むと二子塚鞍部、西へ進むと富士宮口、そして今進んできた南への道は須走口下山道へとつながります。
宝永噴火の影響により森は焼失しスコリアに覆われ火山荒原。樹木はほとんどなく、オンダテやフジアザミなどの草本類がパッチを形成しています。
眼下には自衛隊の東富士演習場や愛鷹山、遠くは伊豆半島や駿河湾が見渡せます。
休憩したら東へ登山道を下ります。
5分ほどで二子塚の鞍部へ到着、せっかくなので下二ッ塚を登ります。
箱根山や丹沢山地、山中湖を見渡せます。
そのあとはいよいよ砂走り。
靴の中にスコリアや火山灰の砂利が入るのが嫌な場合は、スパッツを装着。
ここからは一気にスタートした駐車場横の登山口へ駆け降りる事ができますが、その際、御殿場口登山道方面を下りないように注意します。その道でも下山できますがそちらの登山道は足場が固めで砂走りには向いていない道となります。
また、霧がかかっている時には視界不良となるため注意が必要です。
数時間かけて登ったところを、あっという間に下ることができます。
今回のコースで一番の醍醐味が砂走りです。
あまり長いと飽きてしまいますが、30分程度で駆け降りる事ができるのでちょうどいい距離となっています。
下りていくと御殿場の市街地そして駐車場が見えてきます。
登山口に到着。
到着したら靴に入った砂などをしっかりと出して駐車場に入りましょう。
以上全行程約6km、標準コースタイム3時間程度とコンパクトなトレッキングコースですが、十分に富士山を体感できるコースとなっています。