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富士山に関する小噺:平安の文人が描いた富士の姿!『富士山記』でタイムトリップ!

こんにちは!今日は、ちょっと特別な旅にご案内します。それは、平安時代に書かれた紀行文『富士山記』を巡る旅。作者は、平安時代の文人・都良香(みやこのよしか)。彼が描いた富士山の姿を通して、古の日本人の感性に触れてみましょう。

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 『富士山記』とは?

『富士山記』は、都良香が実際に富士山を訪れた際に記録した紀行文です。現代のような観光目的ではなく、都良香は、富士山という神聖な山を前に、畏敬の念を抱き、その姿を詳細に描写しました。この書物は、平安時代の人々が富士山をどのように捉えていたのかを知る貴重な資料であり、文学的にも非常に価値の高いものです。

 富士山の具体的な描写がすごい!

『富士山記』で特筆すべきは、その具体的な描写です。都良香は、富士山の外観だけでなく、山頂の様子まで細かく記録しています。

  • 山頂の火口:山頂の火口は「蒸し器のように窪んでいる」と表現され、中央には神聖な池があることが記されています。現代の私たちも、写真などで火口の様子を目にすることがありますが、平安時代にこれほど正確に捉えていたことに驚きを覚えます。
  • 虎岩:火口内には、「蹲虎(うずくまる虎)の如し」と表現される「虎岩」が存在しています。この岩は、まるで虎がうずくまっているように見えることから名付けられ、富士山の神秘性を象徴する存在として描かれています。現在でも、この虎岩は富士山の象徴的な景観の一つとして知られています。
  • 自然の厳しさ:都良香は、富士山の厳しい自然環境についても言及しています。風の音や岩の様子など、自然の力強さを感じさせる描写は、現代の登山者も共感できるのではないでしょうか。


  • ⛩️ 富士山への畏敬の念

    都良香は、富士山を単なる自然の山としてではなく、神々が宿る霊山として捉えていました。そのため、『富士山記』には、富士山に対する畏敬の念が随所に感じられます。

  • 神聖な池:火口内にある池を「神聖な池」と表現していることから、都良香がこの場所に特別な力を感じていたことが分かります。
  • 信仰の対象:富士山が信仰の対象として崇められていた背景が、都良香の描写から読み取ることができます。現代の私たちも、富士山に特別な感情を抱く人が多いのではないでしょうか?
  • 現代にも通ずる話題

    『富士山記』は、平安時代の記録でありながら、現代にも通ずる話題を含んでいます。

  • 自然の美しさへの感動:都良香の描写からは、自然の美しさに感動する純粋な気持ちが伝わってきます。これは、現代の私たちも共感できる普遍的な感情です。
  • 旅の記録:『富士山記』は、旅の記録としても読むことができます。旅先での発見や感動を記録するという行為は、現代の旅行ブログやSNSと共通するものです。
  • 神秘への興味:富士山の神秘的な側面を描写することで、目に見えないものへの興味を掻き立てます。これは、現代の私たちも抱く好奇心と通じるものがあります。


  • まとめ

    『富士山記』は、平安時代の文人・都良香が描いた富士山の紀行文です。具体的な描写や畏敬の念を通して、当時の人々の感性に触れることができます。また、自然の美しさへの感動や旅の記録という普遍的なテーマは、現代の私たちにも共感できるのではないでしょうか。ぜひ、一度『富士山記』を手に取り、平安時代の富士山を旅してみてください。



    ABOUT ME
    富士山ガイド竹沢
    静岡県裾野市在住。 富士山に暮らす富士山ガイド 富士山エコネット認定 エコツアーガイド 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅡ