今年も富士山の登山シーズンが終わりました。
今シーズンも登山ガイドとして、富士山をご案内する機会がありました。
富士登山というと、高山病対策や装備、体力づくり、荷物の軽量化など、登るための準備に目が向きがちです。
しかし、登山ガイドとして改めて大切だと感じるのが、
「登らない」という判断です。
9月9日、富士山で遭難事故
2026年9月9日、富士山の富士宮ルートで男性2人が倒れているのが見つかる遭難事故がありました。
山頂付近と新七合目付近でそれぞれ発見され、その後、2人はいずれも心肺停止と報じられています。
また、同じ日には富士宮口五合目で土砂崩れが発生し、駐車していた車が巻き込まれる被害も発生しました。
当日は、それだけ山の状況が厳しかったということです。
このニュースを見て、登山ガイドとして率直に感じたのは、
「なぜ、このような状況で登ろうとするのだろう」
ということでした。
山に慣れていれば「登らない」という選択肢がある
登山をしていると、予定していた日に天候が悪くなることは珍しくありません。
そんなときは、
・予定を変更する
・途中で引き返す
・登山そのものを中止する
という判断をします。
私自身も、危険だと判断すれば登りません。
登山は「予定どおり山頂まで行くこと」が目的ではありません。
安全に帰ってくることが大前提です。
富士山は少し特殊な山だと思います
富士山は、日本一高い山です。
そのため、普段はほとんど山に登らない人でも、
「一度は富士山に登ってみたい」
と思う山でもあります。
ここが、一般的な登山とは少し違うところなのかもしれません。
登山経験があれば、
「今日は危ない」
「この風ならやめよう」
「ここから先は引き返した方がいい」
という判断もできます。
しかし、普段ほとんど登山をしない人にとっては、今の天候がどの程度危険なのか判断すること自体が難しい場合があります。
「せっかく来たから」が判断を鈍らせることも
遠くから富士山まで来て、
「せっかくここまで来たのだから」
「今日を逃したら登れない」
と思うこともあるでしょう。
現在は富士登山に入山料も必要です。
「お金も払ったのだから登りたい」という気持ちが、判断に影響することもあるのではないか。
そんなことも少し考えました。
もちろん、今回の遭難事故と入山料に関係があるという意味ではありません。
あくまで、登山者の心理についてガイドとして感じたことです。
登らないことも登山技術のひとつ
山の状況が悪ければ引き返す。
場合によっては、登山口から登らない。
私は、これも大切な登山技術のひとつだと思っています。
山頂に立てなかったから失敗、ということではありません。
むしろ、
「今日はやめておこう」
と判断できることも、登山ではとても重要です。
特に富士山のように標高が高く、天候が急変する山では、経験や体力だけではなく、状況を見て判断する力も必要になります。
これから秋の登山シーズンです
富士山のシーズンは終わりますが、これからは秋の登山が楽しめる時期になります。
初めて登る山で少し不安がある。
一人で登るのは心配。
自分の体力に合った山を知りたい。
装備や歩き方について教えてもらいながら登りたい。
そんな方には、登山ガイドを利用するという方法もあります。
登山について分からないことや、ガイド登山についてのご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
登山ガイドについてのご相談やお問い合わせは、下記の「富士山ライフ」トップページからお願いします。
トップページを開き、ページ内にあるお問い合わせフォームから、お名前・メールアドレス・ご相談内容をご入力ください。
参考記事
静岡放送(SBS NEWS)
「富士山で男性2人が意識不明 山頂付近と登山道で見つかる 五合目駐車場では土砂崩れ発生し車3台巻き込まれる=静岡」
2026年9月9日